RC単純床版橋の設計|道路橋示方書Ⅲに準拠
インストール不要で使える無料のRC単純床版橋(コンクリート主版を用いた単純支持の上部構造)設計計算用フリーソフトです。平成29年 道路橋示方書Ⅲ 14章により、死荷重・活荷重(T荷重・L荷重)・衝撃から断面力を算出し、主版の限界状態1・限界状態3・耐久性能・構造細目を部分係数設計法で照査します。平成24年 道路橋示方書時点の許容応力度法による照査にも切り替えられます。
このツールで検討できること
- RC単純床版橋の主版について、単位幅(1m)あたりの版部材として設計計算を行います。
- 平成29年道路橋示方書の部分係数設計法(限界状態設計法)と、平成24年時点の許容応力度法を選べます。
対象外・注意が必要な条件
- 単純支持のRC中実床版橋(場所打ち)の主版が対象です。連続橋・PC橋・プレキャスト版・中空床版は対象外です。
- 主版の照査のみで、支点部の詳細(支承・橋座・落橋防止)や下部構造の設計は行いません。耐震設計(レベル2地震動)も対象外です。
- 断面力は版全幅を1本のはりとみなして全幅で均します。全幅に均してよいと規定されているのは死荷重だけで、活荷重を均すのは輪荷重の集中を見込まない簡便法です。支間4m以下では床版の設計曲げモーメントの表の値と比べて大きい方を使いますが、それを超える支間は版理論・有効幅による確認が必要です。
- H24(許容応力度法)は現行基準ではありません。既設橋の照査などで用いる場合は、許容応力度を原典で確認のうえ入力してください。
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計算方法と適用範囲
このツールで計算できること
RC単純床版橋(コンクリート主版を用いた単純支持の上部構造)の主版について、単位幅(1m)あたりの版部材として設計計算を行います。準拠基準として、平成29年道路橋示方書の部分係数設計法(限界状態設計法)と、平成24年道路橋示方書時点の許容応力度法を選択できます。
計算方法・使用式
- 断面力の算出は両基準共通です。設計支間・死荷重(版・舗装・地覆・高欄・歩道)・活荷重(T荷重またはL荷重)・衝撃による曲げモーメント・せん断力を、版全幅を1本のはりとみなして算出したうえで全幅で除し、単位幅あたりの値とします。全幅に均等に分布するとして算出してよいと規定されているのは死荷重だけ(Ⅲ 14.3.2)で、活荷重を全幅で均すのは輪荷重の集中を見込まない簡便法です。設計支間が4m以下のときは、T荷重による単位幅の曲げモーメントを床版の設計曲げモーメントの式(Ⅲ 表-9.2.1)でも求め、大きい方を使います。
- 支間直角方向(配力鉄筋方向)の曲げモーメントは、死荷重には式(解14.3.1)のβを乗じ、活荷重は支間4m以下なら表-9.2.1の値とβ×支間方向の値の大きい方、それを超える支間ではβ×支間方向の値とします。斜角がある場合は支間の取り方に反映します。
- H29(部分係数設計法): 作用の組合せと荷重係数(Ⅰ 3.3。活荷重には衝撃を組み合わせた結果に荷重係数を乗じます)を乗じた断面力に対し、限界状態1(降伏曲げモーメント。Ⅲ 5.5)、限界状態3(破壊抵抗曲げモーメント・せん断・押抜きせん断。Ⅲ 5.7・5.8.2)、耐久性能(かぶりによる内部鋼材の防食。Ⅲ 6.2)を照査します。最小版厚・鉄筋の構造細目(Ⅲ 14.4)も確認します。
- H24(許容応力度法): ヤング係数比n=15のひび割れ断面により曲げ応力度σc・σsを、押抜きせん断応力度τpを算出し、入力された許容応力度と比較します。終局荷重作用時は、1.3×死荷重+2.5×(活荷重+衝撃)などの組合せの曲げモーメントを破壊抵抗曲げモーメントと比較します。平均せん断応力度τmは、線状に支持される中空でない床版橋ではせん断の照査を省略できるため、参考として示します。許容応力度は利用者の入力値を用い、鉄筋の許容引張応力度の初期値は設計支間に応じて140(10m以下)または180 N/mm2とします。荷重の組合せ・許容応力度の区分などは道路橋示方書Ⅲ(平成14年3月)の規定によっています。
入力と出力
入力: 準拠基準(H29/H24)・活荷重の種別・支承の中心間隔・斜角、橋の形状(全幅員・版厚・地覆・歩道・舗装厚・高欄重量)、材料(コンクリート設計基準強度・鉄筋種別、H24では許容応力度)、主鉄筋・配力鉄筋(上側・下側の径・間隔・かぶり)、耐久性能の区分(H29の塩害区分)。
出力: 設計曲げモーメント・せん断力と、選択した基準に応じた照査(H29: 限界状態1・限界状態3・耐久性能、H24: σc・σs・τpと許容値の比較、終局荷重作用時の曲げ、τmは参考)のOK/NG判定、最小版厚・構造細目の確認。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。
適用範囲・計算上の仮定
- 単純支持のRC中実床版橋(場所打ち)の主版の設計です。連続橋・PC橋・プレキャスト版・中空床版は対象外です。
- 主版の単位幅あたりの照査であり、支点部の詳細(支承・橋座・落橋防止)、下部構造の設計は対象外です。
- 断面力は版全幅を1本のはりとみなして全幅で均します。活荷重を全幅で均すのは基準の規定によらない簡便法(原則は版理論、Ⅲ 14.3.1)で、支間4mを超えるときは輪荷重の集中の影響を版理論・有効幅による解析で別途確認してください。
- 耐震設計(レベル2地震動)は対象外です。
- H24(許容応力度法)は現行基準ではありません。既設橋の照査などで用いる場合は、許容応力度を原典で確認のうえ入力してください。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- 道路橋示方書・同解説(平成29年11月、日本道路協会): Ⅰ共通編 3.3(作用の組合せ・荷重係数)・8.1〜8.3(死荷重・活荷重・衝撃)、Ⅲコンクリート橋・コンクリート部材編 5.5(限界状態1)・5.7(限界状態3)・5.8.2(せん断耐力)・6.2(耐久性能)・9.2.3(床版の設計曲げモーメント、表-9.2.1。支間4m以下で用いる)・14.3〜14.4(床版橋の断面力・構造細目)。
- 道路橋示方書・同解説(平成24年、日本道路協会): 許容応力度法による照査の枠組み(H24選択時)。荷重の組合せ・鉄筋の許容引張応力度の区分・せん断の照査の省略は、道路橋示方書・同解説 Ⅲコンクリート橋編(平成14年3月)2.2・3.3・4.2.4・8.3.1 によっています。
活荷重の載荷(歩道部の群集荷重・雪荷重など)、支点部の補強、床版防水・排水、斜角が小さい場合の付加的な検討、下部構造・支承条件との整合は、設計者が示方書に照らして別途確認してください。
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