逆T式橋台の設計|道路橋示方書(平成29年)・直接基礎・杭基礎
インストール不要で使える無料の逆T式橋台の設計計算用フリーソフトです。道路橋示方書(平成29年)の部分係数設計法で、直接基礎・杭基礎の安定と、たて壁・パラペット・フーチング・ウィング・踏掛版・杭体の限界状態の照査を行うことができます。杭基礎はレベル2地震動の照査にも対応します。
このツールで検討できること
- 直接基礎・杭基礎の逆T式橋台について、橋台の全幅で基礎の安定を照査します。直接基礎は変位の制限・鉛直支持・滑動・転倒、杭基礎は杭の押込み・引抜き・杭頭の水平変位です。上部構造の反力は橋台1基の全幅の値を入れます。
- たて壁・パラペット・前フーチング・後フーチング・ウィング・踏掛版について、1mあたりの断面で限界状態1・3の曲げとせん断、耐久性能、最小・最大鉄筋量を照査します。杭基礎は、杭体(場所打ち杭・鋼管杭)と杭とフーチングの接合部も照査します。
- 永続作用・変動作用(レベル1地震動を含む)の作用の組合せで照査します。杭基礎でレベル2地震動の照査が要る条件に当たるときは、押し切りで杭基礎の降伏と応答塑性率を求め、応答の状態で杭体・接合部・フーチングを照査します。支承縁端距離と橋座部の耐力も照査します。
対象外・注意が必要な条件
- 直接基礎で、液状化が生じる土層を有する地盤上の橋台など、レベル2地震動の照査が要る橋台は対象外です(杭基礎ではレベル2地震動の照査を行います)。
- 照査は橋軸方向の断面だけです。斜め橋台・橋軸直角方向の照査、躯体に働く浮力、前面の水平抵抗、突起は考慮しません。杭はすべて鉛直で、等間隔の格子に並べ、杭頭はフーチングに剛結とします。
- 直接基礎の支持力係数は道路橋示方書の図を式で表したもので計算します。最小かぶり・配力鉄筋などの構造細目の一部は照査しません。液状化の判定は行わないので、低減係数 DE は地層ごとに入れてください。
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計算方法と適用範囲
計算式・適用範囲・使用基準と参考文献
このツールで計算できること
直接基礎・杭基礎の鉄筋コンクリートの逆T式橋台について、平成29年道路橋示方書の部分係数設計法(限界状態設計法)による設計計算を行います。基礎の安定は橋台の全幅を1体として計算し、たて壁・パラペット・フーチング・ウィング・踏掛版の部材は1mあたりの断面で、杭体は杭1本ごとに照査します。
計算方法・使用式
- 作用の組合せは、道路橋示方書Ⅰの表-3.3.1から、橋台で効く①D・②D+L・③D+TH・⑤D+L+TH・⑨D+TH+EQ・⑩D+EQ(レベル1地震動)を用います。温度変化などの水平力を入れないときは、③・⑤・⑨を省きます。
- 基礎の変位の制限には、これとは別に、従来の常時に当たる1.00(D+L+E)の組合せも用います(Ⅳ 8.2)。土圧は、土の重量と地表載荷荷重から係数を掛けずに求め、そのうえで土圧の荷重組合せ係数・荷重係数を掛けます。
- 土圧は、安定計算では後フーチングの端の鉛直な仮想背面に、壁の断面計算では躯体の背面に作用させます。常時はクーロンの主働土圧係数(壁面摩擦角は安定計算でφ、壁でφ/3)、地震時は修正物部・岡部法に基づく地震時主働土圧係数の近似式(Ⅴ 4.2)を用います。
- 地震時土圧と後フーチング上の土の慣性力には、地盤面の設計水平震度khgを用います。躯体と上部構造の慣性力の設計水平震度は、khgと同じ値・固有周期から求める値・直接入力から選ぶことができます。上部構造の慣性力は支承の底面に作用させ、可動支承では支承の静摩擦力とします。
- 直接基礎の安定では、変位の制限として鉛直地盤反力度・せん断地盤反力・鉛直力の作用位置(底面幅の1/6以内)を照査します。鉛直支持は、荷重の傾斜と偏心を考慮した合力Frが、極限支持力の0.65倍に係数を掛けた制限値を超えないことを照査します(Ⅳ 9.5.2)。
- 極限支持力は、形状係数・寸法効果・根入れの効果を考慮した支持力の式で求め、支持力係数は図-9.5.1を式で表したもので計算します。滑動は底面のせん断抵抗力、転倒は鉛直力の作用位置(底面幅の1/3以内)で照査します。岩盤では鉛直地盤反力度で照査します。
- 杭基礎は、フーチングを剛体とし、杭頭をフーチングに剛結した鉛直の支持杭として、変位法で杭頭反力を求めます(Ⅳ 10.6・参考資料6)。荷重は杭だけで支持させ、フーチング底面の地盤の抵抗は見込みません。杭は、橋軸方向に等間隔の列と、列ごとに等間隔の本数で並べます。
- 杭1本の押込み支持力は、杭先端の極限支持力度と地層ごとの最大周面摩擦力度から求め、工法ごとの表(Ⅳ 表-10.5.2・10.5.3)を用います。引抜き抵抗力と軸方向ばね定数も同じ地層から求め、変位の制限と限界状態1で、押込み・引抜き・杭頭の水平変位を照査します。
- 水平方向地盤反力係数は、設計上の地盤面から1/βの深さまでの変形係数の平均から求め、βと収束させます(Ⅳ 10.6)。杭の中心間隔が杭径の2.5倍より狭いときは群杭の補正を、杭頭の水平変位が杭径の1%を超えるときは変位による補正を見込みます。
- 杭体は、杭頭と地中部の最大曲げモーメントの深さで照査します。場所打ち杭は円形の鉄筋コンクリート断面の曲げとせん断、鋼管杭は腐食しろを除いた断面の応力度です。鋼管杭の杭頭は、中詰め補強鉄筋でフーチングに結合する方法として、仮想鉄筋コンクリート断面で照査します(Ⅳ 10.8)。
- 杭基礎で、液状化が生じる土層を有する地盤上の橋台など、レベル2地震動の照査が要るときは、水平震度を0から上げていく押し切りで、杭基礎が降伏する水平震度を求めます(Ⅳ 10.9)。杭体の曲げモーメント−曲率の関係と、地盤の水平抵抗・杭の軸方向の上限値を考えます。
- 杭基礎の降伏は、全ての列の杭体が降伏するか、1つの列の杭頭反力が押込みの上限値に達するときとします。降伏の水平震度がレベル2地震動の設計水平震度を下回るときは、エネルギー一定則で応答塑性率を求め、制限値3.0と比べます(Ⅴ 11.4)。
- 応答の状態では、杭体のせん断、杭とフーチングの接合部、フーチング(杭頭の水平反力と曲げモーメントを含む)を照査します。軸方向鉄筋がSD390・SD490の場所打ち杭は、塑性化させないものとして照査します。液状化が生じる層は、地層ごとに入れた低減係数DEで地盤の抵抗を下げます(Ⅴ 7.3)。
- たて壁は基部を固定端とする片持ばりとし、自重・上部構造の反力・土圧・慣性力を考えます。パラペットは、踏掛版がないときは背面の土圧とT荷重による土圧で、踏掛版があるときは踏掛版の反力による前面引張りと、レベル1地震動の背面引張りで照査します(Ⅳ 7.4.4)。
- フーチングは、たて壁の前面・背面を固定端とする片持ばりとし、地盤反力(杭基礎は杭頭の鉛直反力)・自重・上載土・仮想背面の土圧の鉛直成分を考えます。せん断はたて壁の面からフーチング厚の1/2の断面で照査し、せん断スパンが有効高の2.5倍以下のときは割増し係数を見込みます(Ⅳ 7.7.4)。
- ウィングは慣用法による片持ばりとして、踏掛版は版長の70%を支間とする単純ばりとして断面力を求めます。各部材は、限界状態1・限界状態3の曲げ、せん断、ウェブの圧壊、耐久性能(鉄筋の引張応力度)と、最小・最大鉄筋量を照査します。
- 橋座部は、支承縁端距離に加えて、レベル2地震動で支承から作用する水平力に対する耐力を、コンクリートの負担分と補強鉄筋の負担分の和として照査します(Ⅳ 7.6)。
入力と出力
入力: 地域区分・地盤種別・設計水平震度の取り方、躯体の形状(橋台高・フーチング・たて壁・パラペット・橋台の幅)、背面土、基礎の形式と支持地盤、杭(種類・工法・寸法・配置・材料と配筋)と地層、上部構造の反力と支承の条件、橋座部、踏掛版、ウィング、材料、配筋。
出力: 組合せごとの基礎底面の鉛直力・水平力・モーメントと安定の照査(杭基礎は杭頭反力・杭頭の変位・杭体と接合部の照査)、レベル2地震動の押し切りの結果、各部材の断面力と限界状態の照査、構造細目、橋座部の照査。計算過程つきの帳票(計算書)を出力することができます。
適用範囲・計算上の仮定
- 直接基礎・杭基礎の逆T式橋台を、橋軸方向の断面で照査します。斜め橋台・橋軸直角方向の照査、橋台部ジョイントレス構造は対象外です。杭はすべて鉛直とし、杭頭はフーチングに剛結とします。
- 直接基礎の橋台は、レベル1地震動の照査を満たせばレベル2地震動の照査も満たすとみなすことができます(Ⅴ 11.2)。ただし、液状化が生じる土層を有する地盤上の橋台と、レベル2地震動で荷重の支持条件が変わる橋台は除きます。この条件の直接基礎の橋台は対象外です。
- 躯体に働く浮力・揚圧力、根入れ部分の前面の水平抵抗、突起は考慮しません。背面は水平な盛土とし、側方移動のおそれがある軟弱地盤上の橋台は別途検討してください。液状化の判定は行わないので、低減係数DEは設計者が求めて入れてください。
- 杭基礎のレベル2地震動の押し切りは、単調に増える荷重の全量を割線の剛性で解きます。応答の状態の変位が大きすぎて求められないときは、照査を満たさないものとして扱います。躯体のせん断補強鉄筋は見込みません。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- 道路橋示方書・同解説(平成29年11月、日本道路協会): Ⅰ共通編 3.3(作用の組合せ・荷重係数)・8.7(土圧)、Ⅲコンクリート橋・コンクリート部材編 5.2(鉄筋の定着)・5.5・5.8(限界状態1・3)・6.2(耐久性能)、Ⅳ下部構造編 5.2(部材の照査)・7.4〜7.7(橋台・橋座部・フーチング)・8.2・8.5(地盤反力係数)・9章(直接基礎)・10章(杭基礎)・参考資料4(踏掛版)・参考資料6(杭の変位法)、Ⅴ耐震設計編 3.4・4.1・4.2(地域別補正係数・設計水平震度・地震時土圧)・6.2(鉄筋コンクリート部材の曲げモーメント−曲率の関係)・7.3(土質定数の低減)・11.2〜11.4(橋台)。
直接基礎の支持力係数は図-9.5.1を式で表したもので計算するため、図から読み取る値とは数%異なることがあります。最小かぶり・配力鉄筋などの構造細目と、背面アプローチ部の設計は、設計者が示方書に照らして別途確認してください。
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