踏掛版の設計|道路橋示方書(平成29年)参考資料4の曲げと配筋をブラウザで計算

v1.0.0 最終更新日: 2026-10-20

インストール不要で使える無料の踏掛版の設計計算用フリーソフトです。橋台の背面に置く踏掛版を、道路橋示方書(平成29年)Ⅳ下部構造編 参考資料4の設計法で照査します。踏掛版の長さの70%を支間とする単純ばりで、死荷重とT荷重による曲げモーメントを求め、曲げ(限界状態1・3)・耐久性能・最小鉄筋量・最大鉄筋量と、鉄筋のかぶり・間隔・配力鉄筋と圧縮鉄筋の量を確かめます。橋台のパラペットの設計に使う踏掛版の反力も求めます。入力のたびに計算し、計算書も出力できます。

このツールで検討できること
  • 踏掛版の長さ・厚さ・舗装厚から、道路橋示方書(平成29年)Ⅳ 参考資料4の式で、死荷重とT荷重(衝撃係数0.3)による支間中央の曲げモーメントを求めます。
  • 幅1mあたりの断面で、曲げ(限界状態1・3)・耐久性能(鉄筋の引張応力度)・最小鉄筋量・最大鉄筋量を照査します。
  • 参考資料4の鉄筋の配置(かぶり・間隔・配力鉄筋と圧縮鉄筋の量。斜角があるときの配力鉄筋を含む)を確かめ、橋台のパラペットの設計に使う踏掛版の反力を求めます。
対象外・注意が必要な条件
  • せん断は照査しません。参考資料4では、計算した曲げモーメントに対して照査を行います。
  • 受台(ブラケット)とパラペットは照査しません。求めた反力は、パラペットの設計に使ってください。
  • 斜角が60°未満の踏掛版は扱いません。断面の抵抗は、圧縮鉄筋を見込まずに計算します。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 基本条件と材料

道路橋示方書・同解説(平成29年)Ⅳ下部構造編の参考資料4「踏掛版の設計法(案)」で計算します。

降伏曲げモーメント・破壊抵抗曲げモーメントの計算と、最小鉄筋量の照査の曲げひび割れ強度に使います。

鉄筋の降伏強度の特性値(345・390・490 N/mm²)が決まります。

既定の 24.5 は、道路橋示方書Ⅰの鉄筋コンクリートの値です。踏掛版の自重 w2 に使います。

既定の 22.5 は、道路橋示方書Ⅰのアスファルト舗装の値です。舗装の自重 w1 に使います。

2. 形状

橋台の背面から測った踏掛版の長さです。支間は、この長さの 70% とした単純ばりとして計算します(参考資料4)。

踏掛版の版厚です。版の自重と、断面の有効高に使います。

踏掛版の上の舗装の厚さです。舗装の自重と、T 荷重が舗装の中で広がる幅(0.2+2d)に使います。

橋軸と橋台の前面の線がなす角です。斜角の無い踏掛版は 90° です。60° 以上 90° 未満では、引張側の配力鉄筋を引張主鉄筋の 2/3 程度とします。60° 未満は斜角の影響を別途考える必要があるため、計算できません。

3. 配筋

鉄筋の量は、呼び径と中心間隔から幅1mあたりで求めます。主鉄筋は踏掛版の長さの向き、配力鉄筋はそれに直角の向きの鉄筋です。

参考資料4 では、引張鉄筋と引張側の配力鉄筋の間隔は 150mm を標準としています。

参考資料4 では、引張側の配力鉄筋は引張主鉄筋の 1/4 以上(斜角があるときは 2/3 程度)としています。

参考資料4 では、圧縮鉄筋は引張主鉄筋の 1/3 以上、間隔は 300mm 程度を標準としています。断面の抵抗の計算には見込みません。

参考資料4 では、圧縮側の配力鉄筋は引張側の配力鉄筋の 1/2 程度としています。

下面から引張主鉄筋の中心までの距離です。主鉄筋を配力鉄筋の外(下面の側)に置くとして、有効高 d と、かぶり(参考資料4 では 70mm 以上)を求めます。

上面から圧縮鉄筋の中心までの距離です。かぶりの確かめに使います。

リアルタイムプレビュー(計算結果)

入力に応じて自動更新

照査

踏掛版の側面図

計算の内訳

計算のモデル(単純ばり)

荷重と曲げモーメント

組合せごとの曲げモーメントと制限値

橋台へ伝わる反力

断面の配筋図(幅1m)

断面の抵抗

鉄筋の配置(参考資料4)

鉄筋の量と間隔(乾燥収縮・温度)

計算方法と適用範囲

計算式・適用範囲・使用基準と参考文献

このツールで計算できること

橋台の背面に置く鉄筋コンクリートの踏掛版について、平成29年道路橋示方書Ⅳ下部構造編の参考資料4「踏掛版の設計法(案)」による設計計算を行います。踏掛版は、背面の盛土が沈下したときに橋台との境にできる段差を和らげる版で、幅1mあたりの断面で照査します。

計算方法・使用式

  • 踏掛版は、踏掛版の長さの70%を支間とする単純ばりとして計算します。死荷重は舗装と踏掛版の自重を支間の全長に等分布で載せ、活荷重はT荷重(100kN、衝撃係数0.3)を床版の設計に準じて支間の中央に載せます。
  • T荷重は舗装の中で広がるものとし、橋軸方向は幅0.2+2d(dは舗装厚)、橋軸直角方向は幅2.75mに等分布させます。支間が4mを超えるときは、断面力に係数a(L/32+7/8。Lは支間長)を乗じます。
  • 作用の組合せは、道路橋示方書Ⅰの表-3.3.1から、①D(死荷重)と②D+L(死荷重と活荷重)を用います。死荷重には1.00×1.05、活荷重には1.00×1.25の係数を掛けて、支間中央の曲げモーメントとします。
  • 断面は幅1mの単鉄筋の長方形断面とし、曲げモーメントを降伏曲げモーメントと破壊抵抗曲げモーメントの制限値(限界状態1・3)と比べます。耐久性能として①の鉄筋の引張応力度を100N/mm²以下とし、最小鉄筋量と最大鉄筋量も確かめます。
  • 参考資料4では、計算した曲げモーメントに対して照査を行うものとしているため、せん断の照査は行いません。
  • 鉄筋の配置は参考資料4のとおり、かぶり70mm以上、引張鉄筋と引張側の配力鉄筋の間隔150mm、圧縮鉄筋の間隔300mm程度を標準とします。引張側の配力鉄筋は引張鉄筋の1/4以上とし、斜角が60°以上の斜めの踏掛版では2/3程度とします。
  • 圧縮鉄筋は引張主鉄筋の1/3以上、圧縮側の配力鉄筋は引張側の配力鉄筋の1/2程度とします。あわせて、乾燥収縮や温度変化に対して、どの段の鉄筋も500mm²/m以上を300mm以下の間隔で配置しているかを確かめます(Ⅳ 5.2.1)。
  • 橋台のパラペットの設計では、受台に載る踏掛版の反力として、死荷重による反力Rfと、T荷重による反力RTを用います(Ⅳ 式(解7.4.7))。このアプリでは、②の係数を掛けた値と、係数を掛ける前の値を求めます。

入力と出力

入力: 材料(コンクリートの設計基準強度・鉄筋の種類・単位体積重量)、踏掛版の長さ・厚さ・舗装厚・斜角、引張主鉄筋・配力鉄筋・圧縮鉄筋の呼び径と間隔、上面と下面の芯かぶり。

出力: 支間・荷重・曲げモーメント、組合せごとの曲げの照査と制限値、耐久性能・最小鉄筋量・最大鉄筋量、鉄筋の配置の確かめ、橋台へ伝わる反力。計算過程つきの帳票(計算書)を出力することができます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 踏掛版の長さの70%を支間とする単純ばりの曲げを照査します。せん断と、受台(ブラケット)・パラペット、版の下の空洞や沈下量の検討は対象外です。
  • 斜角が60°未満の踏掛版は、斜角の影響を別途考慮する必要があるため扱いません。断面の抵抗は圧縮鉄筋を見込まずに計算するため、圧縮鉄筋を見込む計算より小さめの値になります。
  • 踏掛版を設けるかどうかと長さは、橋の重要度や背面の盛土の条件から決めます。道路橋示方書Ⅳの7.9では、耐震設計上の重要度がB種の橋などで、沈下に追随して路面の連続性を保つ踏掛版を設けることを標準としています。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 道路橋示方書・同解説(平成29年11月、日本道路協会): Ⅰ共通編 3.3(作用の組合せ・荷重係数)・8.1(単位体積重量)、Ⅲコンクリート橋・コンクリート部材編 5.5・5.8(限界状態1・3)・6.2(耐久性能)、Ⅳ下部構造編 5.2(部材の照査)・7.4.4(パラペット)・7.9(橋台背面アプローチ部)・参考資料4(踏掛版の設計法(案))。

かぶりは、芯かぶりから鉄筋の公称直径の半分を引いて求めます。主鉄筋を配力鉄筋の外側(表面の側)に置くとしているため、配力鉄筋を外側に置くときは、芯かぶりを配力鉄筋の径の分だけ大きく入れてください。