直接基礎の地耐力計算|直接基礎の支持力、沈下量の計算

v2.0.4 最終更新日: 2026-10-01

インストール不要で使える無料の直接基礎の地耐力計算用フリーソフトです。テルツァーギの支持力公式により許容支持力を検討するほか、2層地盤の支持力や圧密沈下量の検討も行うことができます。

このツールで検討できること
  • 告示(平13国交告第1113号)の支持力の式により、矩形・円形・連続基礎の許容支持力度を長期(常時)・短期の両方で検討します。水平荷重を入力すると、荷重の傾斜に対する補正をかけます。
  • 応力分散による2層地盤(下層)の支持力と、粘性土層の圧密沈下量もあわせて検討できます。
  • 擁壁の計算結果から荷重・基礎形状を引き継いで開けます。地盤の許容支持力度が不足する場合は、そのまま浅層改良・柱状改良の検討へ進めます。
対象外・注意が必要な条件
  • 支持力公式は全般せん断破壊を仮定した式です。緩い地盤(局部せん断破壊)では係数の低減が必要になる場合があります。
  • 基礎底面の傾斜による低減は含めていません。地震時の支持力(液状化・繰返し荷重)も対象外で、液状化のおそれは液状化判定(簡便法)でご確認ください。
  • 全幅で求めた許容支持力度を最大地盤反力度と比べます。道路土工-擁壁工指針の静力学公式による照査(全鉛直荷重を有効載荷幅 B′=B−2e で割った値と比べる組み方)とは異なります。
  • 圧密沈下は一次圧密のみで、即時沈下・二次圧密は含みません。2層地盤の応力分散は鉛直2:水平1の簡便法です。
  • 最大地盤反力度を直接入力した場合は、鉛直力の合力と水平荷重が分からないため、2層地盤の検討と荷重の傾斜の補正は行いません(圧密沈下は、入力した最大地盤反力度から増加応力を求めるため、大きめになります)。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 基本条件

連続基礎は延長1mあたりで計算します。矩形基礎の幅Bは短辺としてください(B≦L)。

告示(平13国交告1113号)は、告示の表の数値(φ=0, 5, 10, 15, 20, 25, 28, 32, 36度と40度以上)を直線補間して用います。一般式は、建築基礎構造設計指針の式(Nq・Nc は Prandtl・Reissner の解、Nγ=(Nq−1)tan(1.4φ))により φ から直接求めます。表の φ では、この式の値を 0.1 に丸めると告示の表の値になります。

2. 基礎形状

躯体形状(任意)

基礎の上に載る躯体の断面を、節点の座標で入力すると「地盤反力のモデル」の図に反映されます。基礎左端の底面を原点(X=0, Y=0)とし、右回りに入力してください。計算には影響しません(未入力のときは基礎幅の矩形として描きます)。擁壁の設計計算ツールから「地耐力を計算する」で開いた場合は、擁壁の断面形状が自動で入ります。

0 / 最大24点

3. 荷重

「反力度で入力」は、擁壁などで算定済みの最大地盤反力度をそのまま照査したいときに使います。この場合、鉛直力の合力が分からず荷重の深さ方向の広がりを求められないため、2層地盤の検討は行えません(その入力ステップは表示されません)。水平荷重も分からないため、荷重の傾斜に対する補正はかけません。圧密の検討は、入力した最大地盤反力度を底面に一様に載せて増加応力Δpを求めます(平均の反力度で求めるより大きめになります)。

基礎底面位置における設計用鉛直荷重です(上部構造荷重に基礎・上載土の自重を含めた値を入力してください)。連続基礎では延長1mあたりの値になります。

基礎底面位置における水平荷重です。鉛直荷重との比から荷重の傾斜角 θ(tanθ = H/N)を求め、許容支持力度に荷重の傾斜に対する補正係数 ic・iγ・iq をかけます(0なら補正しません)。

基礎底面中心から合力作用位置までのずれです。0なら等分布、B/6以内なら台形分布、B/6を超えると三角形分布として最大地盤反力度を求めます(長期・短期とも同じです)。

基礎底面に生じる最大地盤反力度です。擁壁の計算結果の qmax をそのまま入力できます。

4. 支持地盤

砂質系地盤ではφのみ、粘土質系地盤ではcのみを支持力の算定に用います。

いずれの式もφ=45度を上限とします。道路橋示方書(平成29年)の式は、基礎底面の深さの有効上載圧 σ′v(50 kN/m2 未満は50)から換算N値 N1=170N/(σ′v+70) を求めて用います。N値が5以下は式の適用範囲外のため、大崎の式の値を用います。

粘土質系地盤で使用します。N値推定の場合は c=6.25N (kN/m2) を用います。

地下水位を考慮する場合、水位以下の部分は自動的に水中単位体積重量(入力値-9.81)に補正されます。

Nγ項に用いる支持地盤の単位体積重量です。地下水位が基礎底面以浅にある場合は水中単位体積重量に自動補正されます。

地表面からの深さ(GL-m)で入力してください。

5. 2層地盤の検討

応力分散角は鉛直2:水平1(通称「2割勾配」)を用います。

第1層と同じ式から選べます。道路橋示方書(平成29年)の式の有効上載圧 σ′v は、第2層の上端の深さで求めます。

6. 圧密の検討

圧密沈下は、長期に作用する荷重で検討するものです。N・H・e で入力したときは、平均の反力度 N/A を底面に一様に載せて増加応力Δpを求めます(偏心の有無によりません)。

増加応力Δpはブーシネスクの式により、圧密層の中心(上端から層厚の1/2)位置で算定します。

地下水位の影響を含め、算定済みの値を入力してください。

沈下量は、p0 と pc の大きい方から、載荷後の有効土被り圧 p0+Δp までの分を Cc で求めます(p0+Δp が pc 以下なら、載荷後も過圧密のままとして沈下量を0とします)。

7. 許容値

参考値: 長期3.0、短期1.5

リアルタイムプレビュー(断面図)

入力に応じて自動更新

計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

直接基礎(矩形・円形・連続)について、テルツァーギの支持力公式に形状係数と荷重の傾斜の補正を加えた式(平成13年国土交通省告示第1113号 第2)による許容支持力度の検討、応力分散による2層地盤(下層)の支持力の検討、粘性土層の圧密沈下量の検討を行います。長期(常時)・短期の両方の検討に対応します。

計算方法・使用式

  • 極限支持力度: qu = ic・α・c・Nc + iγ・β・γ1・B・Nγ + iq・γ2・Df・Nq(告示の式。γ1 は支持地盤、γ2 は根入れ部分の単位体積重量、B は基礎幅(円形は直径)、α・β は形状係数、ic・iγ・iq は荷重の傾斜に対する補正係数)。許容支持力度は qa = qu/Fs(既定値は長期 Fs=3、短期 Fs=1.5)。
  • 形状係数: 連続基礎は α=1.0・β=0.5、矩形基礎は α=1.0+0.2B/L・β=0.5−0.2B/L、円形基礎は α=1.2・β=0.3(告示の表)。
  • 支持力係数 Nc・Nq・Nγ: 告示の表の数値を φ で直線補間する方法と、一般式(建築基礎構造設計指針の式(5.2.3)〜(5.2.5)。Nq は Prandtl、Nc は Reissner の解、Nγ=(Nq−1)tan(1.4φ) は Meyerhof の近似解)を選択できます。表の φ では、一般式の値を 0.1 に丸めると告示の表の値になります。
  • 荷重の傾斜: 荷重の傾斜角 θ(tanθ=H/N)から、補正係数 ic=iq=(1−θ/90)²、iγ=(1−θ/φ)² を求めます。告示の方法では θ が φ を超える場合は θ=φ とします(φ=0 の粘性土では補正がかかりません)。一般式では建築基礎構造設計指針の式(5.2.8)(5.2.9)により、ic・iq には θ をそのまま使い、θ が φ を超える場合は iγ=0 とします。
  • 照査: 基礎幅の全幅で求めた許容支持力度 qa と、底面の最大地盤反力度を比べます(qa ≧ qmax)。荷重(N・H・e)を入力したときは、偏心量 |e| が B/6 以内なら台形分布、超える場合は合力の位置と釣り合う三角形分布として最大地盤反力度を求めます(長期・短期とも同じ)。最大地盤反力度を直接入力することもできます。
  • 土質定数: N値からの推定と直接入力を選択できます。砂質土の φ は、大崎の式 φ=√(20N)+15、旧道路橋示方書式 φ=√(15N)+15、道路橋示方書(平成29年)の式 φ=4.8 ln N1+21 から選べます。

    最後の式は、基礎底面の深さの有効上載圧 σ′v(50 kN/m² 未満は50)から換算N値 N1=170N/(σ′v+70) を求めて用い、式の適用範囲外の N≦5 では大崎の式の値を用います。粘性土の c は c=6.25N とします。

  • 2層地盤の検討: 基礎底面の荷重が勾配1/2(鉛直2:水平1)で分散するものとして、下層上面の応力 σz = N/Az + γ・z を求め、下層の許容支持力度 qa2 = (qu2 − γ・z)/Fs + γ・z と比べます。γ・z は基礎底面から下層上面までの土の有効重量による応力で、両辺に入る押さえの効果として安全率の外に出します(粘性土では小規模建築物基礎設計指針の式(5.4.10)と同じ組み方です)。
  • 圧密沈下: 沈下量 S = H・Cc/(1+e0)・log10((p0+Δp)/max(p0, pc)) を求め、許容沈下量と比べます。p0+Δp が pc を超えない場合は、載荷後も過圧密のままとして沈下量を 0 とします。増加応力 Δp は、ブーシネスクの式により圧密層の中心で求めます。底面に一様に載せる荷重度は、N・H・e 入力では平均の反力度 N/A、反力度入力では入力した最大地盤反力度です。
  • 地下水位を入力した場合、水位以下の単位体積重量は水中単位体積重量(γ−9.81)へ自動で低減します。

入力と出力

入力: 基礎形状(矩形・円形・連続)と寸法(B・L・D・根入れ深さDf)、支持力係数の求め方、検討ケース(長期/短期)、荷重(鉛直N・水平H・偏心量e、または最大地盤反力度)、支持地盤の土質(砂質/粘土質、N値または c・φ直接入力、単位体積重量、地下水位)、2層地盤の条件(下層深さ・土質)、圧密の条件(粘土層厚・p0・pc・Cc・e0・許容沈下量)、安全率。

出力: 極限支持力度 qu・許容支持力度 qa(荷重の傾斜角と補正係数を含む)と最大地盤反力度の比較、2層地盤の検討(σzとqa2の比較)、圧密沈下量と許容沈下量の比較のOK/NG判定。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 連続基礎は延長1mあたり、矩形・円形は基礎全体で計算します。
  • 許容支持力度は告示の式で基礎幅の全幅について求め、底面の最大地盤反力度と比べます。道路土工-擁壁工指針で許容鉛直支持力度を静力学公式から求める場合は、全鉛直荷重を有効載荷幅 B′=B−2e で割った値と比べる組み方(同指針 式(解5-14))になり、本ツールの照査とは異なります。
  • 支持力の式は全般せん断破壊を仮定した式です。緩い地盤(局部せん断破壊)では係数の低減が必要になる場合があります。
  • 荷重の傾斜は補正係数で考慮しますが、基礎底面の傾斜による低減は含めていません。最大地盤反力度を直接入力した場合は、水平荷重が分からないため荷重の傾斜の補正もかけません。
  • 2層地盤の応力分散は勾配1/2(鉛直2:水平1)の簡便法です。下層の支持力には荷重の傾斜の補正をかけません。
  • 圧密沈下は一次圧密のみで、過圧密域の圧縮・即時沈下・二次圧密は含みません。圧密は長期に作用する荷重で検討するもので、短期を選んだときも入力した荷重のまま計算するため、結果に注意を出します。
  • 最大地盤反力度を直接入力した場合は、鉛直力の合力が分からず荷重の広がりを求められないため、2層地盤の検討は行いません。圧密沈下は、入力した最大地盤反力度を底面に一様に載せて増加応力Δpを求めるため、平均の反力度で求めるより大きめになります。
  • 地震時の支持力(液状化・繰返し荷重)は対象外です。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 平成13年国土交通省告示第1113号 第2(地盤の許容応力度): 支持力の式、形状係数 α・β、支持力係数の表と直線補間、荷重の傾斜に対する補正係数 ic・iγ・iq。
  • 日本建築学会「建築基礎構造設計指針」2001年改定: 式(5.2.3)〜(5.2.5)(一般式の支持力係数)、式(5.2.8)(5.2.9)(荷重の傾斜に対する補正係数)、式(5.2.17)(大崎の式 φ=√(20N)+15)。 Amazonで見る
  • 日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針」2008年: 式(5.4.9)(5.4.10)(下部に粘性土層がある場合の略算法)、式(5.5.1)(圧密沈下量。本ツールは過圧密の分を除くため、p0 と pc の大きい方を基点とします)、5.5節 a.(圧密沈下の計算用の荷重)。 Amazonで見る
  • 日本道路協会「道路土工-擁壁工指針(平成24年度版)」平成24年7月: 式(解4-5)(粘性土の粘着力と N値の関係。c=6.25N はこの範囲の値)、式(解4-6)(解4-7)(砂質土のせん断抵抗角と N値の関係)、式(解5-14)(静力学公式による許容鉛直支持力度の照査)、式(解5-17)〜(解5-19)(底面の地盤反力度の分布)。 Amazonで見る
  • 日本道路協会「道路橋示方書・同解説 Ⅳ下部構造編」平成29年11月: 参考資料1 式(参1.1)(参1.2)(換算N値による砂のせん断抵抗角の推定式)。 Amazonで見る
  • ブーシネスクの式(帯状・円形・矩形の等分布荷重の中心直下の鉛直応力。矩形は Newmark の隅角点公式を重ね合わせる)。

N値からの土質定数の推定は概略値です。旧道路橋示方書式 φ=√(15N)+15 は、上に挙げた基準書(現行の版)に載っている式ではありませんが、実務で用いられることがあるため選べるようにしています。重要な構造物では土質試験によるc・φの設定を推奨します。基礎の根入れの確保、地下水位の季節変動、液状化の可能性、隣接構造物の影響は本ツールの計算外です。設計者が別途確認してください。

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