杭基礎の支持力計算|道路橋示方書・建築基準の両方に対応
インストール不要で使える無料の道路橋示方書・建築基準(告示第1113号)の両方に対応した杭基礎の支持力計算用フリーソフトです。多層地盤の層データから、杭の鉛直支持力(押込み)・引抜き抵抗力・沈下量・水平抵抗(Chang式)を検討します。
- 杭1本あたりの鉛直支持力(押込み)・引抜き抵抗力・水平抵抗を検討し、杭頭の沈下量を参考として求めます。
- 道路橋示方書(土木)と平成13年国土交通省告示第1113号(建築)を選べます。打込み杭・場所打ち杭・中掘り杭・プレボーリング杭・鋼管ソイルセメント杭・回転杭に対応します。建築基準の中掘り杭・鋼管ソイルセメント杭・回転杭は、大臣認定等の係数(告示 第6)を入力して計算します。
- 単杭1本あたりの計算です。群杭効果や、杭群としての基礎全体の設計(フーチング・杭配置・杭体断面の照査)は対象外です。
- 負の周面摩擦力(ネガティブフリクション)、杭体の断面照査(応力度・座屈)、液状化時の低減は扱いません。液状化のおそれの有無は液状化判定(簡便法)でご確認ください。
- 支持力はN値(および粘性土のc)による推定式です(道路橋示方書の推定式は、岩盤に支持させる杭を対象としていません)。道路橋示方書で載荷試験による値を使うときは、試験の極限支持力を入力します。
- 道路橋示方書の先端支持力度は、杭先端を支持層に杭径程度以上(打込み杭は杭径の2倍程度以上)根入れした杭の載荷試験に基づく値です。杭先端付近のN値は、杭先端から杭径の3倍下方までの平均とします。
- 道路橋示方書の先端支持力度の表は、杭径(外径)が打込み杭で1,500mm程度まで、中掘り杭で500〜1,000mm程度、プレボーリング杭で300〜1,000mm程度、鋼管ソイルセメント杭でソイルセメント柱径1,000〜1,500mm程度(鋼管径800〜1,300mm程度)、回転杭で鋼管径400〜1,200mmの範囲の杭に基づく値です。
- 水平抵抗のChangの式は地盤を一様な弾性支承とみなす略算法です。多層地盤では変形係数の代表値の設定にご注意ください。
リアルタイムプレビュー(杭・地層断面図)
入力に応じて自動更新計算方法と適用範囲
このツールで計算できること
杭基礎の1本あたりの鉛直支持力(押込み)・引抜き抵抗力・水平抵抗の検討を行い、杭頭の沈下量を参考として求めます。準拠基準として道路橋示方書(土木)と平成13年国土交通省告示第1113号(建築)を選択でき、打込み杭・場所打ち杭・中掘り杭・プレボーリング杭・鋼管ソイルセメント杭・回転杭の各工法に対応します。
計算方法・使用式
土木基準(道路橋示方書Ⅳ下部構造編): 地盤の極限支持力 Ru = qd・A + U・ΣLi・fi(式10.5.4。qd・fiは杭工法・地盤種別ごとの特性値の表による)、押込みの制限値 Rd = ξ1・ΦY・λf・λn・(Ry−Ws) + Ws − W(式10.5.3)、変位の制限値 Rdp(λs=0.55。式10.5.1)、極限引抜き抵抗 Pu(式10.5.6。回転杭は羽根のアンカー効果を加算、式10.5.7)と引抜きの制限値 Pd(式10.5.5)・変位の制限値 Pdp(λp=0.25。式10.5.2)を照査します。
変位の制限値(10.5.1)は永続作用支配状況の照査なので、作用の組合せに地震の影響を含むときは行いません。
- 支持杭の押込みでは、杭先端付近の周面摩擦は先端支持力度 qd に含まれるため、杭先端から杭径の1倍(打込み杭は2倍、鋼管ソイルセメント杭はソイルセメント柱径の1倍)上方まで、回転杭は支持層の上面か杭先端から羽根外径の上方までの浅い方で周面摩擦力の積算を止めます。引抜きは杭先端まで積算します(回転杭は押込みと同じ範囲)。
- 摩擦杭の支持形式の違いを考慮する係数 λf は0.70を標準とし、支持杭基礎と同等の安全性を有する場合は1.00を選べます。道路橋示方書で摩擦杭基礎に使えるのは、打込み杭・場所打ち杭・鋼管ソイルセメント杭工法です。
建築基準(平成13年国土交通省告示第1113号): 打込み杭・セメントミルク工法による埋込み杭(プレボーリング杭)・場所打ち杭は第5 の式 Ru = α・N・Ap + (Σ(10/3)Ns・Ls + Σ(qu/2)・Lc)・ψ により、許容支持力を長期 Ra = Ru/3、短期 Ra = 2Ru/3、許容引抜き抵抗力を長期 (4/15)RF + wp、短期 (8/15)RF + wp とします。
中掘り杭・鋼管ソイルセメント杭・回転杭は第6 の式により、載荷試験・引抜き試験で定めた係数 α・β・γ、κ・λ・μ(大臣認定等による値)を入力して求めます。
- 周面摩擦: 粘性土はc(入力がある層)またはN値からの推定値、砂質土はN値から、工法ごとの上限値付きで層ごとに算定し積み上げます。
- 沈下量(参考): 杭の軸方向ばね定数Kv(道路橋示方書 式10.6.3/10.6.6。鋼管ソイルセメント杭の AE は式10.6.5)により、杭頭荷重から杭頭沈下量を推定します。基準に制限値が無いため、許容沈下量との比較は総合判定に含めません。
水平抵抗: Changの式(半無限長の弾性支承梁)により、水平地盤反力係数kH(k = λ・k0・(B′/0.3)^(-3/4)、k0 = α・E0/0.3)と特性値 β = (kH・D/(4EI))^(1/4) を用いて、杭頭の水平変位・地中部最大曲げモーメントを求め、許容変位(杭径の1%など)と比較します。
水平変位が杭径の1%を超え、かつ15mmより大きいときは、式10.6.2 で kH を補正して収束計算します。杭頭剛結・ヒンジの両条件に対応します。
入力と出力
入力: 準拠基準・杭工法・支持形式(支持杭/摩擦杭)・検討ケース(長期/短期・地震の影響の有無)、杭の諸元(杭径・先端径・鋼管径・断面(中空/中実)・肉厚・杭長・杭頭深さ・ヤング係数・単位体積重量)、設計荷重(押込みNd・引抜きPt・水平Hd)、地層条件(最大20層。層厚・土質・N値・c・γ)、支持層の条件(先端N値・変形係数E0とその推定方法)、照査条件(ξ1・載荷試験の値・λn・許容変位・安全率)、建築基準の係数(α・β・γ・κ・λ・μ)。
出力: 押込み支持力(Ru・Rd・Rdpまたは長期/短期Ra)と設計荷重の比較、引抜き抵抗(Pu・Pd・Pdp または Pa)の照査、杭頭沈下量(参考)、水平抵抗(杭頭変位・最大曲げモーメント・その深さ)のOK/NG判定。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。
適用範囲・計算上の仮定
- 単杭1本あたりの計算です。群杭効果・杭群としての基礎全体の設計(フーチング・杭配置・杭体断面の照査)は対象外です。
- 支持力は標準貫入試験のN値(および粘性土のc)による推定式で算定します。道路橋示方書で載荷試験による値を使うときは、試験の極限支持力(杭の自重を差し引いた残余支持力)を入力します。載荷試験の係数を使えるのは、地盤構成・N値・杭長と杭径・杭工法が試験と同じ場合です。
- 道路橋示方書の先端支持力度 qd の N値は、杭先端から杭径の3倍下方までの範囲の平均とします。表の値は、杭先端を支持層に杭径程度以上(打込み杭は杭径の2倍程度以上)根入れした杭の載荷試験に基づくもので、岩盤に支持させる杭は対象外です。
道路橋示方書の先端支持力度の表の杭径(外径)の範囲は、打込み杭が1,500mm程度まで、中掘り杭(セメントミルク噴出攪拌方式)が500〜1,000mm程度、プレボーリング杭が300〜1,000mm程度、鋼管ソイルセメント杭がソイルセメント柱径1,000〜1,500mm程度・鋼管径800〜1,300mm程度、回転杭が鋼管径400〜1,200mmです。
回転杭の支持層が砂・砂れき以外のときは、引抜きを含め載荷試験による検討が必要です。
- 道路橋示方書では、N値が5未満の軟弱な粘性土は、土質試験で粘着力を求めて周面摩擦力度を推定するのがよいとされています(粘着力を入力しないとN値から推定します。予備設計等の段階では可能です)。
- SC杭は杭工法の区分にありません。SC杭の軸方向ばね定数と曲げ剛性は、鋼管とコンクリートを合わせた等価なヤング係数を入力して扱ってください。
- 水平抵抗のChangの式は、地盤を一様な弾性支承とみなす略算法です。多層地盤ではkH算定用の変形係数の代表値の設定に注意してください。
- 負の周面摩擦力(ネガティブフリクション)・杭体の断面照査(応力度・座屈)・液状化時の低減は対象外です。
- 摩擦杭で軸方向ばね定数の推定式が道路橋示方書に規定されない工法は、沈下量を算定しません(その旨を結果に表示します)。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- 道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(平成29年11月、日本道路協会): 式10.5.1〜10.5.7(支持・引抜き)、表-10.5.1〜10.5.5(部分係数・qd・fiの特性値・許容水平変位)、式10.6.1〜10.6.7(β・kHの補正・Kv)、式8.5.2・8.5.3・表-8.5.1(地盤反力係数)。 Amazonで見る
- 平成13年国土交通省告示第1113号 第5(建築基準選択時の支持力式・引抜きの式)、第6(中掘り杭・鋼管ソイルセメント杭・回転杭の係数を試験で定める式)。
- Changの式(杭の水平抵抗)。
ξ1・λnなどの部分係数・安全率、許容変位、地盤定数(N値・c・E0)の代表性は設計条件により異なります。支持層の確認(層厚・連続性)、施工法に応じた先端処理、群杭・杭頭結合部の設計は、設計者が別途確認してください。
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