液状化判定(簡便法)|建築、土木の両指針に対応

v1.3.1 最終更新日: 2026-09-30

インストール不要で使える無料の液状化判定用フリーソフトです。建築基準(建築基礎構造設計指針)・土木基準(道路橋示方書)の両方の基準による液状化判定(FL値・PL値)を行うことができます。

このツールで検討できること
  • 建築基準(建築基礎構造設計指針)と土木基準(道路橋示方書Ⅴ)の両方に対応。基準ごとに補正N値と地震時せん断応力比の求め方が変わります。
  • N値測定点ごとのFL値、地層ごとの平均FLと液状化・非液状化の判定、地盤全体のPL値を算定し、計算書として出力します。
  • 土木基準では、耐震設計上の土質定数の低減係数DE(道路橋示方書Ⅴ 表-7.3.1)を、測定点ごと・層ごとに示します。
対象外・注意が必要な条件
  • 標準貫入試験のN値による簡便法(FL法)です。繰返し三軸試験による詳細判定・有効応力解析はできません。
  • 判定深度は地表から20m程度までです(基準の適用範囲)。
  • 低減係数は土木基準のみです。建築基準を選んだ場合は算定しません。
  • 判定対象層の抽出(細粒分含有率35%超・地下水位より上・粘性土の除外など)は簡略化しています。対象とする層は調査結果に基づいてご確認ください。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

地質・土質調査成果電子納品要領のXMLから、地層区分(地層名・層厚)・N値測定点・地下水位を取り込みます。

1. 判定基準

建築基準は建築基礎構造設計指針(日本建築学会2019)、土木基準は道路橋示方書・同解説V耐震設計編(平成29年版)に準ずる。

2. 地震外力

地盤面の設計水平震度の標準値です。地盤種別・検討ケースに応じて別途設定してください。

道路橋示方書の地域区分(A1/A2/B1/B2/C)による係数です。デフォルト1.0(A1・A2相当)。

参考値: レベル1検討用 1.5〜2.0 m/s2、レベル2検討用 3.5 m/s2程度。

3. 全般

地表面からの深さ(GL-m)で入力してください。

通常は9.81 kN/m3(真水)とします。

4. 地層区分

全/有効上載圧の算定に用いる地層プロファイルです。γtは地下水位より浅い部分、γsatは地下水位以深に用います。第1層(地表面から)の順に、層厚を積み上げて各層の深度を自動計算します。下の「地層数」で入力する行数を指定してください。地層名は計算には使わず、結果の表と帳票で層を呼び分けるために使います(未入力可)。

最大20層
地層名未入力可 層厚(m) γt(kN/m3)湿潤 γsat(kN/m3)飽和
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5. N値測定点

FL値はこの測定点ごとに、その深度における上載圧・N値等から個別に求めます。下の「N値測定点数」で入力する行数を指定してください。FC・D50・ΔNfは未入力のままでも計算できます(未入力の項目による補正・判定対象からの除外は行いません)。

最大40点
測定深度(m) 土質区分 N値 FC(%)未入力可 D50(mm)未入力可 ΔNf建築基準のみ・未入力可
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リアルタイムプレビュー(柱状図)

入力に応じて自動更新

計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

ボーリング調査のN値と土質条件から、簡便法(FL法)による液状化判定を行います。建築基準(建築基礎構造設計指針)と土木基準(道路橋示方書Ⅴ耐震設計編)を選択でき、各N値測定点のFL値、地層ごとの平均FLと液状化・非液状化の判定、地盤全体の液状化の程度を表すPL値を算定します。

計算方法・使用式

  • FL値 = R/L(液状化抵抗率Rと地震時せん断応力比Lの比)。FL≦1.0で液状化の可能性ありと判定します。
  • 液状化抵抗率R: 補正N値Naから時松・吉見の式(γ=5%の実験曲線。R = 0.0882√(Na/1.7)、Na>14では+1.6×10⁻⁶(Na−14)^4.5)で求めます。この曲線は両基準共通です(建築学会指針の図、道路橋示方書のRL式)。
  • 土木基準のNa: N1 = 170N/(σv′+70)とし、砂質土は細粒分含有率FCによる補正係数cFC、礫質土(D50≧2mm)は粒径による低減を適用します。レベル2地震動タイプⅡでは低減係数cw(RLに応じ1.0〜2.0)を乗じます。L = rd・cz・kh0・σv/σv′(rd = 1−0.015z)。
  • 建築基準のNa: N1 = √(100/σv′)・Nに、細粒分含有率による補正増分ΔNfを加えます。L = rd・(αmax/g)・σv/σv′。
  • 上載圧: 地下水位より浅い部分はγt、以深はγsatで全上載圧を積算し、有効上載圧は間隙水圧u = γw(z−zw)を差し引いて求めます。
  • PL値: PL = ∫₀²⁰(1−FL)(10−0.5x)dx(FL≧1はFL=1)を、測定点ごとの代表区間で近似して積算します。測定点どうしは中間深度で区切り、最初の点は地表面まで、最後の点は20m(入力した地層がそれより浅ければその下端まで)を受け持ちます。地層を20mまで入力していない場合、積算されるのはその下端までの範囲になります。
  • 層ごとの平均FL: 層に含まれるN値測定点のFLの相加平均です(深さ方向の重み付けは行いません)。判定対象外の点は平均に含めず、平均FL≦1.0の層を液状化と判定します。層内の最小FLも併せて示します。層境界ちょうどの深度にある測定点は、下側の層に含めます。
  • 低減係数DE(土木基準のみ): 耐震設計上の土質定数の低減係数を、道路橋示方書Ⅴ 表-7.3.1により、FL≦1の測定点について地表面からの深さと動的せん断強度比Rに応じて求めます。層に対しては層内の測定点のDEのうち最小のもの(もっとも低減の大きいもの)を示します。

入力と出力

入力: 判定基準(建築/土木)・検討ケース(レベル1/レベル2タイプⅠ/タイプⅡなど)、地震外力(設計水平震度kh0・地域別補正係数cz、または地表面設計用水平加速度αmax)、地下水位、地層区分(地層名・層厚・γt・γsat。上載圧の計算に使用。地層名は計算には使わず、結果の表と帳票で層を呼び分けるためのもので未入力可)、N値測定点ごとの深度・N値・土質・細粒分含有率FC・平均粒径D50・ΔNf。

FC・D50・ΔNfは未入力のままでも計算できます(未入力の項目による補正・判定対象からの除外を行いません)。国土交通省の電子納品要領によるボーリングXMLから、地層区分(土質岩種区分の名称を地層名として反映)・N値・地下水位を取り込めます。

出力: 測定点ごとのNa・R・L・FL値と判定の一覧(判定対象外の点は除外理由を表示)、地層ごと(地層名つき)の平均FL・最小FLと液状化・非液状化の判定、土木基準では低減係数DE、PL値と液状化の程度の目安。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

入力中は、土質区分・N値・地下水位の柱状図をリアルタイムプレビューで確認できます。計算結果からは「関連ツールへ連動」で、液状化に伴う残留変形解析(有限要素法)へ層ごとのデータ(地層名・層厚・γt・γsat、液状化と判定した層の平均FL・液状化強度比RL・初期有効拘束圧σ′c)を引き継いで移動できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 標準貫入試験のN値による簡便法(FL法)です。繰返し三軸試験による詳細判定・有効応力解析は対象外です。
  • FL値の算定はN値測定点単位で行います。層ごとの平均FLは、その層に含まれる測定点のFLを平均した値であり、層の土質定数から直接求めたものではありません。測定点の間隔が層内で不揃いな場合は、間隔の粗い部分も1点として同じ重みで平均されます。
  • 層ごとの判定は平均FLによります。平均FLが1を超える層でも、層内にFL≦1となる測定点が残ることがあるため、最小FLの欄と測定点ごとのFL値を併せて確認してください。
  • 低減係数DEは土木基準(道路橋示方書Ⅴ 表-7.3.1)のみです。建築基準を選んだ場合は低減係数を算定しません。
  • 判定対象層の抽出(細粒分含有率35%超・地下水位より上・粘性土の除外など)は簡略化しています。対象とすべき層の判断は調査結果に基づき設計者が確認してください。
  • 判定深度は地表から20m程度までが基準の適用範囲です。
  • 建築基準のΔNfは指針の図表からの読み取り値のため、測定点ごとの直接入力です(未入力の場合はΔNf=0として扱います)。
  • FC・D50が未入力の測定点は、細粒分含有率による補正(土木基準のcFCは1.0)・粒径による低減を行わず、FC>35%による除外もしません。値が得られている深度は入力してください。
  • cz・kh0・αmaxは全国表・地盤種別表を参照せず直接入力です。適用する地域・地盤種別の値を設定してください。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 建築基礎構造設計指針(日本建築学会、2019): 液状化判定の方法(N1・ΔNf・αmaxによるL)。 Amazonで見る
  • 道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編(平成29年11月、日本道路協会): 液状化の判定(N1・cFC・cw・khgLによるL、RL式)、耐震設計上の土質定数の低減係数DE(表-7.3.1)。 Amazonで見る
  • 時松・吉見による液状化強度曲線(γ=5%)、岩崎・龍岡らによるPL値。

地下水位の季節変動、細粒分含有率・粒度試験値の代表性、埋立て・造成履歴、FL・PLの結果に基づく対策工の要否判断は、設計者が別途確認してください。判定基準・地震外力は事業(建築確認・道路・港湾等)ごとに指定される場合があります。

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