タワークレーン基礎の設計|クレーン構造規格の風荷重・地震荷重に準拠

v2.2.1 最終更新日: 2026-10-01

インストール不要で使える無料のタワークレーン(クライミングクレーン)基礎設計計算用フリーソフトです。クレーン構造規格 第9条の風荷重(作動時・停止時)・第10条の地震荷重・第11条の衝撃係数により、作業時・暴風時・地震時の荷重を求め、直接基礎(マット基礎)の転倒・滑動・支持力・浮上りの安定計算と基礎スラブの断面計算、又は仮設構台のH形鋼支持杭の押込み・引抜き・杭体応力・水平変位の照査(道路土工-仮設構造物工指針)を行います。転倒モーメントは旋回によりどの向きにも働くものとして照査します。

このツールで検討できること
  • タワークレーン基礎について、直接基礎(マット基礎)または仮設構台(H形鋼支持杭)の設計計算を行います。
  • クレーン反力はメーカー資料の値を直接入力するほか、クレーン構造規格に基づく風荷重・地震荷重・衝撃係数から作業時・暴風時・地震時の3ケースを組み立てて算定できます。
  • 転倒モーメントはクレーンの旋回によりどの向きにも働くものとして、直接基礎の転倒・支持と支持杭の軸力を照査します。
対象外・注意が必要な条件
  • 定置式(固定基礎)が対象です。クライミング式の本体支持・マスト割付の検討は対象外です。
  • クレーン反力はメーカーの据付計画資料の値を優先してください。クレーン構造規格からの算定は、資料が入手できない場合の概算手段です。
  • タワークレーン基礎そのものの設計基準は存在しないため、荷重はクレーン構造規格、直接基礎は平成13年国土交通省告示第1113号と道路土工-擁壁工指針、仮設構台の支持杭は道路土工-仮設構造物工指針を組み合わせた構成です。
  • 直接基礎の偏心量の制限は、帯状の基礎の B/6・B/3 を二方向に広げた仮定の扱いです。
  • 基礎スラブの照査は X方向・Y方向の片持ばりの略算で、転倒モーメントが斜めに働くときの隅角部の反力の増加は見込みません。杭基礎マットのような複雑な応力状態は扱いません。液状化・地盤改良の要否も対象外です。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 基本条件

直接基礎は、クレーンのベースフレームを支持するマット基礎(べた基礎)を地盤上に設ける形式です。仮設構台は、乗入れ構台の上にクレーンを設置し、荷重を構台の支持杭(H形鋼)で地盤に伝える形式で、支持杭を入力した地層で検討します。

メーカーの基礎反力表(作業時・暴風時の鉛直力・水平力・転倒モーメント)が手元にある場合は「直接入力」を選んでください。反力表が無い場合は、クレーン諸元から、クレーン構造規格 第9条の風荷重 W=qCA・第10条の地震荷重・第11条の衝撃係数を用いて算定します。

クレーン構造規格 第10条は、地震荷重を垂直静荷重の20%に相当する水平力として計算するものとしています。仮設構造物であっても地震時の検討を求められる場合があるため、選択できるようにしています。

クレーン構造規格 第10条は垂直静荷重の20%(kh=0.20)としています。

支持杭の鋼材・基礎スラブのコンクリートと鉄筋の許容応力度を短期として扱うかどうかの選択です。支持杭の許容応力度(道路土工-仮設構造物工指針 表2-6-1)は、同指針 2-6-1 が仮設構造物として道路橋示方書の常時の1.5倍を標準値とした値で、「作業時は長期」では、作業時は表の値を1.5で除し、暴風時は1.5で除してから暴風時の割増係数を乗じます(地震時は表の値のままです)。なお、直接基礎の偏心量・滑動・支持力の許容値と杭の引抜きの安全率は、この選択によらず荷重ケースの性質(作業時=長期、暴風時・地震時=短期)で決まります。

「作業時は長期、暴風時・地震時は短期として扱う」を選んだときの、暴風時の割増係数です。基礎スラブのコンクリートと鉄筋の許容応力度と、支持杭の鋼材の常時の許容応力度(仮設構造物工指針 表2-6-1 の値を1.5で除した値)に乗じます。既定の1.25は、道路土工-擁壁工指針 表4-2 の風荷重を考慮する場合の割増し係数です。

2. クレーン反力

作業時(クレーン構造規格 第11条第2号相当:衝撃係数を乗じた垂直動荷重+垂直静荷重+水平動荷重+作動時の風荷重)の基礎反力です。クレーン自重とつり荷を含み、基礎自重は含めません。

風荷重・旋回や走行の慣性力(水平動荷重)による水平力です。

クレーンのベース下面(基礎上面)における転倒モーメントです。つり荷の偏心・風荷重によるモーメントを含みます。

旋回の起動・制動による鉛直軸まわりのねじりモーメントです。支持杭の水平力の分配に用います(直接基礎では底面の摩擦で抵抗するものとして照査対象外)。

暴風時(同第5号相当:垂直静荷重+停止時の風荷重)の基礎反力です。つり荷は無く、クレーン自重のみとなります。

停止時の風荷重による水平力です。作業時よりかなり大きくなります。

地震時(同第3号相当:垂直動荷重+垂直静荷重+地震荷重)の基礎反力です。つり荷を含みます(衝撃係数は乗じません)。

3. クレーン諸元

マスト・ジブ・カウンタウェイトを含むクレーン全体の自重です。

クレーン自重の重心が基礎中心からどれだけ偏っているかを表します。ジブ側を正、カウンタジブ側を負として入力してください。

水平動荷重と地震時の慣性力の作用高さに用います(風荷重の転倒モーメントは、受風面ごとの地上高さ h から求めます)。基礎上面からの高さで入力してください。

作業時・地震時に見込むつり荷の質量に相当する荷重です。定格総荷重で入力してください。

つり荷による転倒モーメント M = P・R の算定に用います。基礎中心からつり荷までの水平距離です。

クレーン構造規格 第11条の衝撃係数 Ψ=1+0.3V(ジブクレーン。V は巻上定格速度 m/s で、Ψ は1.10〜1.30)を、作業時のつり荷に乗じます。メーカーの仕様の値を入れてください。0 のときは Ψ を下限の1.10とします。同条の作業係数(別表第二)は構造部分の部材の組合せに乗じる係数のため、基礎の荷重には乗じません。

クレーン構造規格 第9条第4項による受圧面積(風の方向に直角な面への投影面積)です。風を受ける面が2面以上重なるとき(トラスのマストの前後の面など)は、同項により、第2面以降の重なる部分に低減率を乗じた面積と、重ならない部分の面積を加えます。マスト(タワー)部の値を入力してください。使わない受風面は面積を0としてください。

クレーン構造規格 第9条第3項による風力係数です。平面トラスは充実率に応じて1.6〜2.0、平板は1.2〜1.9、円筒・鋼管製トラスは0.7〜1.2です。

速度圧 q は q=83・h^(1/4)(作動時)/q=980・h^(1/4)(停止時)で高さにより変わります。受風面の地上高さ(16m未満は16mとして扱われます)を入力してください。風荷重の転倒モーメントは、この地上高さを腕として求めます(基礎上面が地表面より下にあっても、その差は腕に含めていません)。

旋回・走行の起動制動による水平動荷重を、垂直荷重に対する割合で見込みます。メーカー値がある場合はその値を用いてください。

4. 基礎形状

クレーンの転倒モーメントに抵抗する方向の基礎幅です。転倒モーメントはクレーンの旋回によりどの向きにも働くため、X方向・Y方向だけでなく斜めの向きも含めて転倒・支持を照査します。

マット基礎の版厚です。基礎自重は Bx・By・D・γc として算定します。

地表面から基礎底面までの深さです。基礎上面より上の部分は埋戻し土として自重に加算し、支持力の算定では上載圧として扱います。

クレーンのアンカーフレーム(ベース)の外辺寸法です。基礎スラブは、この位置を固定端とする片持ばりとして、X方向・Y方向の曲げ・せん断を照査します。

5. 支持杭(仮設構台)

構台の支持杭に用いるH形鋼です。断面性能は、道路土工-仮設構造物工指針 参表3-1・参表3-3(JIS の標準断面)または参表3-7(リース材)の値を用います。同指針 表2-11-1 は、仮桟橋の杭の最小断面の目安を H-300×300×10×15 としています。

クレーン荷重を分担する支持杭を、X方向・Y方向の格子状に配置するものとして軸力を分配します。

杭の中心間隔です。転倒モーメントはどの向きにも働くため、軸力が最も大きくなる隅杭で N = V/n ± M√((xmax/Σx²)²+(ymax/Σy²)²) として分配します。

杭頭から杭先端までの全長です。このうち地上突出長 h を除いた部分が地中に根入れされます。

地表面から構台桁下(杭頭)までの高さです。座屈長・杭頭曲げモーメント・水平変位の算定に用います。

道路土工-仮設構造物工指針 表2-9-1・表2-9-2 の施工方法の区分です。杭先端の極限支持力度 qd=200αN の α と、最大周面摩擦力度 fi の β が決まります(プレボーリング工法の砂充填は α=0 で、先端支持力を見込みません)。

道路土工-仮設構造物工指針 表2-6-1 の鋼種です。

リース材は、ボルト孔(φ25)を控除した断面性能(道路土工-仮設構造物工指針 参表3-7)で照査します。リース材の表にあるのは H-250×250・H-300×300・H-350×350・H-400×400 です。新材は JIS の標準断面の断面性能(同 参表3-1・参表3-3)です。許容応力度はどちらも同指針 表2-6-1 の値です。

杭頭が構台桁と剛結され、綾構などで杭頭の回転が拘束される場合は、杭頭曲げモーメント M=H(1+βh)/(2β)(道路土工-仮設構造物工指針 式(2-11-10))、水平変位 δ=H{(1+βh)³+2}/(12EIβ³) とします。ピン結合(杭頭の回転を拘束しない)の場合は、M=H(h+1/β)(同 式(2-11-16) の地中部の最大曲げモーメントより大きい値)、δ=H{(1+βh)³+1/2}/(3EIβ³)(同 式(2-11-17))とします。

有効座屈長 lk = k(h + 1/β) の係数です。杭頭が水平に動く構台では、杭頭固定は1.0、杭頭ピンは2.0とします(杭頭の支持条件を切り替えると入れ替わります。手で変えた値は入れ替えません)。綾構を設けた構台は、道路土工-仮設構造物工指針 図2-11-11 により、綾構の下端から地中の 1/β までの長さ(構台が高く橋軸方向の座屈が卓越するときは綾構の区間との和)を座屈長としてください。

構台桁・覆工板など、クレーン荷重を分担する支持杭が負担する構台自体の重量です。

杭頭の水平変位の許容値です。基準の値ではないため、クレーンの運転に支障が出ない値を設計者が定めてください(既定の15mmは目安です)。

道路土工-仮設構造物工指針 式(2-9-1) の安全率 n です。同指針は仮設構造物であることを考慮して n=2 とし、構造物の重要度・荷重条件・設置期間などによってはこの値を割り増すのがよいとしています。

道路土工-仮設構造物工指針 2-9-2 には引抜きの規定が無いため、設計者が定める値です。既定の作業時6.0・暴風時と地震時3.0の出どころは確かめられていません。

6. 地層条件

地表面から順に地層を入力します。直接基礎では基礎底面直下の層を支持層として支持力・上載圧の算定に、仮設構台では杭の周面摩擦力・先端支持力・水平地盤反力係数の算定に用います。液状化のおそれのある層や負の周面摩擦力が想定される軟弱層は「周面摩擦力の考慮」を「考慮しない」としてください。

最大15層
層厚(m) 土質区分 N値 c(kN/m2) γt(kN/m3)湿潤 γsat(kN/m3)飽和 周面摩擦力
1
2
3
4

粘着力 c は粘性土層で用います(一軸圧縮試験などの試験で求めた値を入れてください)。支持杭の周面摩擦力度は道路土工-仮設構造物工指針 式(2-9-5)(2-9-6) により、砂質土・砂れきは 2βN(N は50まで)、粘性土は c を入力した層は βc、入力していない層は 10βN(どちらも150 kN/m2 まで)とします。N≦2 の層は、c を入力した粘性土を除いて周面摩擦力を見込みません。

7. 地盤条件・照査条件

地表面からの深さ(GL-m)で入力してください。直接基礎では、水位以深を有効単位体積重量(γsat−9.81)で扱い、揚圧力を考慮します。支持杭の式(2-9-1) の土と杭の有効重量は、同指針のとおり水位以深の土は湿潤重量から9.0、杭は10.0 kN/m3 を差し引きます。

地盤調査結果から許容鉛直支持力度が与えられている場合は直接入力してください。支持力式による算定は、基礎底面直下の層の c・φ(N値から推定)を用いた概算です。

参考値(常時): 礫層(密なもの)600、砂質地盤(密なもの)300・(中位なもの)200、粘性土地盤(非常に堅いもの)200・(堅いもの)100 kN/m2(道路土工-擁壁工指針 解表4-8。高さ8m以下の擁壁で、斜面上でなく、現地の試験が困難な場合に用いる値)。

道路橋示方書(平成29年)の式は、同Ⅳ 参考資料1 式(参1.1)(参1.2) により N1=170N/(σ′v+70)(σ′v は基礎底面の深さの有効上載圧。50 kN/m2 未満は50)を用います。N≦5 では使えない式のため、大崎の式(建築基礎構造設計指針 式(5.2.17))で代えます。旧道路橋示方書式 φ=√(15N)+15 は、現行の基準書には載っていない式ですが、実務で用いられることがあるため選べるようにしています。

平13国交告第1113号 第2 は、極限支持力度に対して長期1/3、短期2/3 を許容応力度とします(安全率 3・1.5)。暴風時・地震時はこの短期の値で照査し、荷重の傾斜に対する補正係数(ic・iγ・iq)は荷重ケースごとに乗じます。

許容鉛直支持力度を直接入力したときの、暴風時・地震時の割増係数です。既定の1.5は道路土工-擁壁工指針 解表4-8 の常時の値に対する地震時の割増しです。建築基準法施行令 第93条の地盤の許容応力度(短期は長期の2倍)を入れるときは2.0としてください。

参考値: 岩盤0.7、礫層0.6、砂質土0.6、粘性土0.5(道路土工-擁壁工指針 解表4-9。土と基礎のコンクリートの間に割栗石または砕石を敷く場合の値)。基礎地盤が土の場合は0.6を超えないものとします(同指針 紙面 p.69 の本文)。

付着力は有効載荷面積 A′=(Bx−2|ex|)(By−2|ey|) に乗じます(道路土工-擁壁工指針 式(解5-10) の有効載荷幅 B′=B−2e を二方向に広げた扱い。転倒モーメントの向きを振って最も小さい A′ を用います)。

既定の常時1.5・地震時1.2は道路土工-擁壁工指針 式(解5-10) の安全率です。暴風時も地震時と同じ短期の値で照査します(本ツールの扱い)。

揚圧力に対する安全率です。基準の値ではないため、設計者が定めてください(既定1.2)。

変形係数 E0 = 2800N(kN/m2)に乗じる係数です。道路土工-仮設構造物工指針 表2-9-9 は、N値から求めた変形係数では1、ボーリング孔内で測定した値・一軸または三軸圧縮試験から求めた値では4としています。

8. 基礎スラブの断面計算

参考値: σck=21で7.0、σck=24で8.0、σck=27で9.0 N/mm2(道路土工-擁壁工指針 表4-3)。

コンクリートのみでせん断力を負担する場合の平均せん断応力度の許容値です。参考値: σck=21で0.22、σck=24で0.23、σck=27で0.24 N/mm2(道路土工-擁壁工指針 表4-3 の τa1。同指針は有効高・鉄筋比による補正係数を乗じますが、本ツールは乗じていません)。

参考値: 一般の部材は SD295A/B・SD345 とも180、水中あるいは地下水位以下に設ける部材は160 N/mm2(道路土工-擁壁工指針 表4-10。衝突荷重・地震の影響を含まない場合)。

基礎スラブの下側主鉄筋(引張鉄筋)の配置間隔です。単位幅1mあたりの鉄筋量 As = as×1000/ピッチ として照査します。

「全ケースを短期(仮設構造物)として扱う」では全ケースに、「作業時は長期、暴風時・地震時は短期として扱う」では地震時に乗じる割増係数です。既定の1.5は、道路土工-仮設構造物工指針 2-6-1 の仮設構造物の許容応力度(常時の値の1.5倍)と、道路土工-擁壁工指針 表4-2 の地震の影響を考慮する場合の割増し係数です。

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計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

タワークレーン基礎について、直接基礎(マット基礎)または仮設構台(H形鋼支持杭)の設計計算を行います。クレーンから基礎に伝わる荷重は、メーカー資料の反力を直接入力するか、クレーン構造規格に基づく風荷重・地震荷重・衝撃係数から作業時・暴風時・地震時の3ケースを組み立てて算定します。

計算方法・使用式

  • クレーン荷重: クレーン構造規格により、風荷重 W = q・C・A(速度圧 q = 83・h^(1/4)(作動時)/980・h^(1/4)(停止時)。第9条)、地震荷重は垂直静荷重の20%の水平力(第10条)とし、作業時(衝撃係数を乗じたつり荷+作動時風+水平動荷重)・暴風時(停止時風・つり荷なし)・地震時(つり荷+地震荷重。衝撃係数なし)の3ケースを組み合わせます(第11条)。

    衝撃係数はジブクレーンの Ψ = 1+0.3V(V は巻上定格速度、1.10〜1.30)です。第11条は構造部分の部材の組合せを定める条文で、作業係数は基礎の荷重には乗じません。

  • 転倒モーメントの向き: クレーンは旋回するため、転倒モーメントはどの向きにも働きます。正方形の基礎でも、斜め45°の向きでは隅角部の地盤反力度や隅杭の軸力が軸方向より大きくなるため、向きを振って最も不利な値で照査します。
  • 直接基礎: 転倒は二方向の偏心 |ex|/Bx+|ey|/By ≦ 1/6(長期)・1/3(短期)、支持は引張を受け持たない平面分布の最大地盤反力度 qmax ≦ 許容支持力度qa、滑動は Fs = (V・μ+cB・A′)/H(A′ は有効載荷面積)、浮上りは Fs =(鉛直力+基礎自重+埋戻し土重量)/揚圧力 で照査します。

    偏心量の制限と滑動の安全率は道路土工-擁壁工指針の値で、偏心量の制限は帯状の基礎の B/6・B/3 を二方向に広げた仮定の扱いです。qa は平成13年国交省告示第1113号の支持力式(形状係数・荷重の傾斜の補正を含む)で算定できます。基礎スラブはクレーンベース外面を固定端とする片持ばりとして、X方向・Y方向の曲げ・せん断を照査します。

  • 仮設構台: 支持杭は道路土工-仮設構造物工指針により照査します。許容鉛直支持力は Ra = (Ru−Ws)/n+Ws−W、極限支持力は Ru = qd・A+U・Σℓi・fi(qd = 200αN、fi = 2βNs・10βN・βc、先端面積 H×B・周長 2(H+B)、安全率 n = 2)です。

    水平抵抗は半無限長の弾性床上のはりとして仮想固定点深さ1/βを求め、杭を「地上突出長+1/βの柱」として、軸力と曲げの組合せ(曲げの増幅を含む)・せん断・水平変位を照査します。H形鋼は全方向の水平力を想定し、弱軸まわりで照査します。

入力と出力

入力: 基礎形式(直接基礎/仮設構台)・荷重の入力方法(メーカー反力の直接入力/クレーン構造規格による算定)・地震時検討の有無、クレーン反力(作業時・暴風時・地震時のV・H・M・Mt)またはクレーン諸元(自重・重心・つり荷・巻上定格速度・受風面積など)、基礎の諸元(マット基礎の寸法・配筋、または構台の杭配置・H形鋼断面・施工方法・地層条件)、地盤条件(許容支持力度・摩擦係数など)。

出力: 荷重ケースごとの、直接基礎では転倒(偏心量)・滑動・支持・浮上りの照査と基礎スラブの断面照査、仮設構台では杭の軸力分配・鉛直支持力・杭体の応力度・水平変位の照査のOK/NG判定。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 定置式(固定基礎)のタワークレーンを対象とします。クライミング式の本体支持・マスト割付の検討は対象外です。
  • クレーン反力はメーカーの据付計画資料の値を優先してください。クレーン構造規格からの算定は、資料が入手できない場合の概算手段です。
  • タワークレーン基礎そのものの設計基準は存在しないため、荷重はクレーン構造規格、直接基礎の支持力は告示、安定の許容値は道路土工-擁壁工指針、仮設構台の支持杭は道路土工-仮設構造物工指針を組み合わせた構成です。
  • 地盤は単一層または入力した地層条件によります。液状化・地盤改良の要否は対象外です。
  • 基礎スラブの照査は片持ばりの略算です。転倒モーメントが斜めに働くときの隅角部の反力の増加や、杭基礎マットのような複雑な応力状態は扱いません。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • クレーン構造規格(平成7年労働省告示第134号): 風荷重(第9条)・地震荷重(第10条)・荷重の組合せと衝撃係数(第11条)。
  • 平成13年国土交通省告示第1113号 第2: 直接基礎の支持力式(支持力係数・形状係数・荷重の傾斜に対する補正係数)。
  • 建築基礎構造設計指針(日本建築学会): 支持力係数の理論式、N値からのせん断抵抗角の推定(大崎の式)。 Amazonで見る
  • 道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(平成29年11月、日本道路協会): N値からのせん断抵抗角の推定式(参考資料1)。 Amazonで見る
  • 道路土工-擁壁工指針(平成24年7月、日本道路協会): 直接基礎の偏心量の制限・滑動の安全率(5-3-2)、許容鉛直支持力度・摩擦係数の参考値(解表4-8・解表4-9)、コンクリート・鉄筋の許容応力度の参考値(表4-3・表4-10)。 Amazonで見る
  • 道路土工-仮設構造物工指針(平成11年3月、日本道路協会): 支持杭の許容鉛直支持力(2-9-2)、鋼材の許容応力度と軸力・曲げの組合せ(2-6)、杭の水平抵抗・変位・座屈長(2-11-9)、変形係数の係数 α(表2-9-9)、H形鋼の断面性能(参考資料3)。 Amazonで見る

クレーンの設置届・落成検査等の手続きでは所轄の労働基準監督署・検査機関の運用が優先されます。採用したクレーン反力の妥当性、地盤調査結果との整合、埋戻し・排水などの施工条件は、設計者が別途確認してください。

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