雨水調整池の構造計算|側壁・底版・オリフィスタワーの設計
インストール不要で使える無料の雨水調整池(現場打ちU字断面の貯留池)構造計算用フリーソフトです。側壁は片持ばり、底版は弾性床上のはりとして部材の安全性を照査し、排水の敷モルタルの重量を考慮した底版の設計、浮上がりに対する検討、オリフィスタワー(放流塔)の構造計算を行います。
- 現場打ちの雨水調整池(U字断面)の構造計算です。側壁・底版の断面照査、浮上がりの検討、躯体の安定性(滑動・転倒・支持)を照査します。
- オリフィスタワー(放流塔)を設ける場合は、その壁体・浮上がり・基礎もあわせて照査します。空虚時と満水時(計画高水位まで貯留)を自動で両方解きます。
- 構造計算のみを行います。調整容量(貯留量)の計算や、放流量の水理計算(オリフィス・余水吐の能力)は対象外です。
- 池躯体は延長1mあたりの2次元断面、オリフィスタワーのみ塔1基あたりの計算です。
- 上部開放の池が対象で、蓋・覆蓋は扱いません。躯体は左右対称が前提です。
- 常時の背面土圧は静止土圧です。貯留水・地下水は静水圧として扱い、池の側壁に作用する地震時の貯留水の動水圧は考慮しません(オリフィスタワーには考慮します)。底版の解析は鉛直方向地盤反力係数kvの設定が結果に大きく影響します。
- 施工時の底版中央部の照査、側方地盤の液状化による土圧の増加、地盤変位の影響が大きい場合の検討は扱いません。
リアルタイムプレビュー
計算方法と適用範囲
このツールで計算できること
現場打ちの雨水調整池(左右の側壁と底版が一体のU字断面。内空に雨水を一時貯留)の構造計算を行います。部材の安全性(側壁・底版の断面照査)、浮上がりに対する検討、躯体自体の安定性(滑動・転倒・支持)、オリフィスタワー(放流塔)を設ける場合はその壁体・浮上がり・基礎の照査を行います。空虚時と満水時(計画高水位まで貯留)を自動で両方解き、項目ごとに不利な側を採用します。
計算方法・使用式
- 池躯体の設計は、道路土工 擁壁工指針の掘割式U型擁壁(5-7-6)の考え方に準じます(指針は調整池を対象に挙げていないため、準用は本ツールの扱いです)。
- 荷重の組合せ: 常時は自重+土圧に、背面の載荷重を載せる・載せないの組を計算し、照査ごとに不利な組を採ります。地震時は自重+地震の影響とし、載荷重は組み合わせません(指針 4-2-1(2))。
- 土圧: 常時は静止土圧(p = K0・(γ・z + q)、式 解5-5)です。地震時は、指針 5-7-6 が示す道路橋示方書Ⅴ耐震設計編の地震時土圧(修正物部・岡部式)とし、地震時主働土圧係数 KEA を同編 式(4.2.2)の「背面が土とコンクリートの場合」で自動入力します。躯体・敷モルタル・貯留水の慣性力も考慮します。
- 側壁: 底版との結合部を固定端とする片持ばりです。貯留水の内水圧が背面土圧を上回るときの内側引張も考慮し、外側・内側の両方の主鉄筋を照査します。地震時の内側引張の照査では、慣性力を外向きに取ります。
- 底版: 弾性床上のはりとして解きます(地盤ばねは引張を受け持たないものとします)。曲げの向きに応じて下側・上側の主鉄筋で照査し、側壁から伝わる軸方向力(満水時は引張になることがあります)も入れます。張出しがあるときは、そのつけ根も照査します。
- 敷モルタル: 排水勾配のため横断方向に厚さが変化する台形分布の死荷重として底版に載せ、浮上がりの自重・安定計算の鉛直荷重にも算入します。水深の基準となる池底の最深部は敷モルタル上面の低い側とします。
- 浮上がり: Fs = (WB+WS+QS)/(US+UD)(指針 式 解5-42)。WS には張出し上の土と側壁外面のテーパーの上の土を入れます。
- 安定性: 滑動は Fs = (V0・μ+cB・B′)/H0(式 解5-10)、転倒は合力作用位置の偏心量(常時 |e|≦B/6、地震時 |e|≦B/3)、支持は地盤反力度と許容鉛直支持力度(地震時は1.5倍)の比較で照査します(指針 5-3-2)。張出し・テーパーの上の載荷重は、支持の照査だけに入れます。
- オリフィスタワー: 池内に自立する独立基礎の塔として、周囲に貯留水が作用するものとし、壁体の断面(鉛直・水平鉄筋と円環方向の軸圧縮)、浮上がり、基礎の安定(滑動・転倒・支持)を塔1基あたりで照査します。地震時・満水時は、周囲の貯留水の地震時動水圧(道路橋示方書Ⅴ耐震設計編 4.3、式(4.3.3)(4.3.4))を入れます。壁体は幅1mの片持ばりに外水圧の全量をかけて解くため、曲げを大きく出す安全側の扱いです。
入力と出力
入力: 検討ケース・地盤種別・地域別補正係数cz・設計水平震度kh、躯体形状(高さH・内空幅・側壁厚・底版厚・張出し)、計画高水位の水深・地下水位、敷モルタルの条件(中央/端部厚・単位体積重量)、左右別々の土砂形状、オリフィスタワーの諸元(形式・高さ・内径・壁厚・基礎寸法・配筋)、材料(γ・σck・鉄筋材・部材の設置環境)、静止土圧係数K0・背面土の土質・地震時主働土圧係数KEA・上載荷重q、基礎条件(鉛直方向地盤反力係数kv・摩擦係数μ・付着力cB・許容鉛直支持力度)、浮上がりのその他荷重、配筋、許容値。
出力: 空虚時・満水時と荷重の組合せの各ケースについて、側壁(外側・内側)・底版の応力度照査、浮上がりの安全率、滑動・転倒(偏心量)・支持の照査結果と、オリフィスタワーの各照査のOK/NG判定、照査ごとに採ったケース。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。
適用範囲・計算上の仮定
- 池躯体は延長1mあたりの2次元断面、オリフィスタワーのみ塔1基あたりの計算です。
- 構造計算のみを行います。調整容量(貯留量)の計算・放流量の水理計算(オリフィス・余水吐の能力)は対象外です。
- 躯体は左右対称とし、土砂形状のみ左右別々に与えられます。上部開放の池を対象とし、蓋・覆蓋は扱いません。
- 常時の背面土圧は静止土圧です。貯留水・地下水は静水圧として扱い、池の側壁に作用する地震時の貯留水の動水圧は考慮しません(オリフィスタワーには考慮します)。
- 底版の解析は鉛直方向地盤反力係数kvに依存します。kvの設定が結果に大きく影響します。
- 地震時土圧係数の自動入力は、道路橋示方書Ⅳ下部構造編 7.9を満たす良質な背面土を前提とした近似式です。これを満たさない背面土では、別途評価した値を直接入力してください。
- オリフィスタワーの円形のフーチングの偏心量の限界は、常時は核の半径(直径の1/8)、地震時は接地する範囲が直径の1/2 となる偏心としています(帯状の底面の B/3 と同じ意味になるように置いた、本ツールの扱いです)。
- 施工時の底版中央部の照査、側方地盤の液状化による側壁への土圧の増加、地盤変位の影響が大きい場合の応答変位法などによる検討は扱いません。
- 法担ぎは換算等分布荷重として上載荷重に加算します(基準に記述の無い、本ツールの扱いです)。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- 道路土工 擁壁工指針(平成24年7月、日本道路協会): U型擁壁の設計(5-7-6)、荷重の組合せ(4-2-1)、自重と載荷重の載荷方法(4-2-2・4-2-3、解図4-1・4-2)、静止土圧(式 解5-5)、設計水平震度(解表5-1)、浮上がりの照査(式 解5-42)、滑動(式 解5-10)・転倒・支持の照査(5-3-2)、許容鉛直支持力度と摩擦係数(解表4-8・解表4-9)、コンクリートのヤング係数(表4-1)、許容応力度(表4-2〜表4-5・表4-10)。 Amazonで見る
- 道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編(平成29年11月、日本道路協会): 地震時土圧(4.2、式(4.2.2))、地震時動水圧(4.3、式(4.3.3)・(4.3.4))。 Amazonで見る
- 道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(平成29年11月、日本道路協会): 鉛直方向地盤反力係数 kv(式(8.5.2)・(8.5.3)、表-8.5.1、表-9.6.1)。 Amazonで見る
- 道路橋示方書・同解説Ⅰ共通編(平成29年11月、日本道路協会): 地震時土圧を算出する場合の壁面摩擦角(表-解8.7.1)。
- 道路土工要綱(平成21年度版、日本道路協会): 地域別補正係数(資料-1)。 Amazonで見る
調整池の必要容量・放流施設の能力は、各自治体の宅地開発指導要綱・流域の基準により別途算定してください。設計水平震度・許容値・鉛直方向地盤反力係数の採用値、揚圧力の設定(地下水位)、堆砂・維持管理への配慮は、設計者が別途確認してください。
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