シュミットハンマーの強度計算|テストハンマーの反発度から角度補正・材齢補正をかけた推定強度を求め、強度推定調査の流れで判定する
インストール不要で使える無料のシュミットハンマーの強度計算用フリーソフトです。テストハンマー(シュミットハンマー)で測った1か所 20 点の反発度から、平均の±20%を外れた値を除いて測定反発度を求め、打撃方向(角度補正)・乾燥状態・材齢の補正をかけて、日本材料学会の式でテストハンマー強度(推定強度)を求めます。国土交通省のテストハンマーによる強度推定調査の流れで、調査の3か所と再調査の5か所の推定強度を設計基準強度と比べて判定します。入力のたびに計算し、計算書も出力できます。
このツールで検討できること
- 1か所 20 点の反発度から、平均の±20%を外れた値を除き、除いた数だけ打ち足した値と入れ替えて、測定反発度を求めます。
- 打撃方向(水平・上向き・下向き 15〜90°)と乾燥状態の補正、材齢 10〜27 日の材齢係数をかけ、日本材料学会の式でテストハンマー強度を求めます。補正値を直接入れることもできます。
- 調査の3か所と再調査の5か所の推定強度を、設計基準強度 σck と 0.85σck に比べて判定します。
- テストハンマー強度の早見表と、打撃方向・乾燥状態の補正値の表を載せています。
対象外・注意が必要な条件
- 材齢 9 日以前のコンクリートは、強度を推定しません。材齢 92 日以降は、補正せずに推定します。
- 高強度コンクリート・高流動コンクリートは、この式では実際の強度より低く推定されることがあります。プレストレストコンクリート構造物は、国土交通省の強度推定調査の対象外です。
リアルタイムプレビュー(計算結果)
入力に応じて自動更新調査の判定
再調査の結果
推定強度の図
計算の内訳
か所ごとの推定強度
反発度の分布
反発度と外れた値の処理
テストハンマー強度の早見表と補正値の表
テストハンマー強度は F=(−18.0+1.27×R0)×α で求めます。R0 は基準反発度(測定反発度 R に打撃方向の補正値 ΔR1 と乾燥状態の補正値 ΔR2 を足した値)、α は材齢係数です。
基準反発度 R0 とテストハンマー強度 F
| R0 | F | R0 | F | R0 | F | R0 | F |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20 | 7.4 | 30 | 20.1 | 40 | 32.8 | 50 | 45.5 |
| 21 | 8.7 | 31 | 21.4 | 41 | 34.1 | 51 | 46.8 |
| 22 | 9.9 | 32 | 22.6 | 42 | 35.3 | 52 | 48.0 |
| 23 | 11.2 | 33 | 23.9 | 43 | 36.6 | 53 | 49.3 |
| 24 | 12.5 | 34 | 25.2 | 44 | 37.9 | 54 | 50.6 |
| 25 | 13.8 | 35 | 26.5 | 45 | 39.2 | 55 | 51.9 |
| 26 | 15.0 | 36 | 27.7 | 46 | 40.4 | 56 | 53.1 |
| 27 | 16.3 | 37 | 29.0 | 47 | 41.7 | 57 | 54.4 |
| 28 | 17.6 | 38 | 30.3 | 48 | 43.0 | 58 | 55.7 |
| 29 | 18.8 | 39 | 31.5 | 49 | 44.2 | 59 | 56.9 |
材齢 10〜27 日に測ったときは、この表の F に材齢係数 α を掛けます。
材齢係数 α
| t | α | t | α | t | α |
|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 1.55 | 16 | 1.29 | 22 | 1.09 |
| 11 | 1.51 | 17 | 1.25 | 23 | 1.08 |
| 12 | 1.46 | 18 | 1.21 | 24 | 1.06 |
| 13 | 1.42 | 19 | 1.16 | 25 | 1.05 |
| 14 | 1.38 | 20 | 1.12 | 26 | 1.03 |
| 15 | 1.34 | 21 | 1.11 | 27 | 1.02 |
材齢 28〜91 日は補正しません(α=1.00)。92 日以降も補正しません。9 日以前は強度を推定しません。表にない材齢は、前後の値を比例配分します。
打撃方向の補正値 ΔR1(上向き)
| R | +90° | +60° | +45° | +30° | +15° |
|---|---|---|---|---|---|
| 10 | - | - | −7.0 | −4.0 | −1.8 |
| 15 | - | −7.5 | −5.6 | −3.5 | −1.7 |
| 20 | −7.6 | −6.4 | −4.8 | −3.2 | −1.5 |
| 25 | −6.8 | −5.7 | −4.2 | −2.8 | −1.4 |
| 30 | −6.0 | −5.1 | −3.8 | −2.6 | −1.3 |
| 35 | −5.5 | −4.6 | −3.5 | −2.4 | −1.1 |
| 40 | −5.0 | −4.2 | −3.2 | −2.2 | −1.0 |
| 45 | −4.5 | −3.8 | −3.0 | −2.0 | −1.0 |
| 50 | −4.1 | −3.5 | −2.9 | −1.9 | −0.9 |
打撃方向の補正値 ΔR1(下向き)
| R | −15° | −30° | −45° | −60° | −90° |
|---|---|---|---|---|---|
| 10 | +1.4 | +2.5 | +3.2 | +3.9 | +4.5 |
| 15 | +1.4 | +2.5 | +3.1 | +3.8 | +4.3 |
| 20 | +1.3 | +2.4 | +3.1 | +3.7 | +4.2 |
| 25 | +1.3 | +2.3 | +3.0 | +3.5 | +4.1 |
| 30 | +1.2 | +2.2 | +2.8 | +3.4 | +3.9 |
| 35 | +1.1 | +2.1 | +2.7 | +3.2 | +3.8 |
| 40 | +1.0 | +1.9 | +2.5 | +3.1 | +3.5 |
| 45 | +0.9 | +1.7 | +2.3 | +2.8 | +3.2 |
| 50 | +0.7 | +1.5 | +2.0 | +2.5 | +2.9 |
乾燥状態の補正値 ΔR2
| 表面の状態 | ΔR2 |
|---|---|
| 乾燥している | 0.0 |
| 湿っていて、打撃の跡が黒点になる | +3.0 |
| 濡れている | +5.0 |
測定装置のマニュアルに補正の方法があるときは、それに従います。
打撃方向の角度は、水平から上へ打つ向きを+、下へ打つ向きを−で表します。表にない R の値は、上下の行を比例配分して小数1桁に丸めます。「-」は表に値が無い所です。
計算方法と適用範囲
計算式・適用範囲・使用基準と参考文献
このツールで計算できること
新設のコンクリート構造物で、テストハンマー(シュミットハンマー)で測った反発度からコンクリートの圧縮強度を推定します。国土交通省のテストハンマーによる強度推定調査の流れで、調査か所ごとのテストハンマー強度(推定強度)を求め、設計基準強度と比べて構造物の強度を判定します。
計算方法・使用式
- 1か所につき 20 点を打撃し、反発度の平均を求めます。平均の±20%を外れた値は除き、除いた数だけ打ち足した値と入れ替えて平均し直します。入れ替えたあとに外れる値があれば、全部が範囲に入るまで繰り返します。最後の平均を有効数字3桁に丸めたものが測定反発度 R です。
- テストハンマーの重錘が戻る距離は重力の影響を受けるので、水平でない向きに打ったときは打撃方向の補正をします。上向きに打ったときの補正値は負、下向きに打ったときの補正値は正です。表にない反発度の補正値は、上下の行を比例配分して小数1桁に丸めます。
- 反発度は、乾いた面で測るのを原則とします。湿っている面で測るときは、測定装置のマニュアルの補正に従います。マニュアルの補正が定かでないときは、湿っていて打撃の跡が黒点になる面は+3、濡れている面は+5 を加えます。この値は、国内のテストハンマーのマニュアルを参考に決められたものです。
- 測定反発度に打撃方向の補正値 ΔR1 と乾燥状態の補正値 ΔR2 を足したものが基準反発度 R0 で、テストハンマー強度は日本材料学会の式 F=(−18.0+1.27×R0)×α で求めます。α は材齢係数です。この式は、呼び強度 24 程度の土木用のコンクリートを主な対象として選ばれた式です。
- 反発度と圧縮強度の関係は、材齢によって変わると考えられています。ただし、材齢係数を使っても推定の精度が上がるとは限らないので、材齢 28〜91 日に測って補正しない(α=1.00)のを原則とします。
- 材齢 10〜27 日に測ったときだけ、10 日 1.55・20 日 1.12・28 日 1.00 の間を比例配分した材齢係数を掛けます。9 日以前は推定せず、92 日以降も補正しません。
- 判定は、1つの調査単位(擁壁・カルバートは目地の間、そのほかは強度が同じと考えられるブロック)ごとに、3か所の推定強度で行います。3か所の平均が設計基準強度 σck 以上で、どのか所も 0.85σck 以上なら問題なしとします。
- 満たさないときは、強度が低かったか所の周辺で5か所を再調査し、同じ判定をします。テストハンマーの調整(テストアンビルでの点検)もあわせて確かめます。再調査でも満たさないときは、コア採取による圧縮強度試験などの詳細な調査を検討します。
入力と出力
入力: 構造物名(調査単位)、設計基準強度 σck、調査の3か所と再調査の5か所それぞれの名前・材齢・打撃方向(水平・上向き 15〜90°・下向き 15〜90°、または補正値)・乾燥状態(乾燥・湿っている・濡れている、または補正値)・反発度 20 点・打ち足した値。反発度は Excel・CSV から貼り付けることもできます。
出力: か所ごとの測定反発度・打撃方向と乾燥状態の補正値・基準反発度・材齢係数・テストハンマー強度、調査と再調査の推定強度の平均・最大値・最小値・差と判定、総合判定、外れた値の処理の経過、推定強度と反発度の分布の図。計算過程つきの帳票(計算書)も出力できます。
適用範囲・計算上の仮定
- 打撃方向の補正値は、土木学会規準 JSCE-G 504 の補正の図を数値にした、熊本県の要領の早見表(R 10〜50 の 0.1 きざみ)の値です。土木研究所の FAQ集の表(上向き・下向き 90°)とは、R 10 の下向き、R 20・30 の上向き、R 25 の上下、R 35・40・50 の下向きで 0.1 異なります。
- どちらも同じ補正の図から読み取った値です。上向き 90° は R が 20 より小さいとき、上向き 60° は R が 15 より小さいときに表の値が無く、R が 10〜50 の外も表の外です。発注者の要領が別の補正値を使うときや、表に値が無いときは、「補正値を入れる」を選んで補正値を入れます。
- 調査は3か所、再調査は5か所です。再調査の判定は再調査の5か所だけで行い、調査の3か所と合わせません。調査の判定が問題なしのときに再調査の結果を入れても、再調査の結果は参考として示し、判定には使いません。
- 外れた値を除いたあと、打ち足した値が足りないときは、残った値で平均し直して外れた値を除き続けます。このときの平均は 20 点に満たない値の平均になるので、注意書きを出します。打ち足した値は空の欄を飛ばし、上から順に使います。
- 材齢の大きいコンクリートは、表面の乾燥などで反発度が高めに出て、推定強度が実際より大きくなることがあります。材齢の特に大きい既設の構造物の強度を知るには、コア採取などで構造物ごとの反発度と強度の関係を求めます。
- 高強度コンクリート・高流動コンクリートは、この式では実際の強度よりかなり低く推定されるという調査結果があります。プレストレストコンクリート構造物は、国土交通省の強度推定調査の対象外です。
- 測定反発度は有効数字3桁、補正値・基準反発度・テストハンマー強度・推定強度の平均は小数1桁、材齢係数は小数2桁に丸め、丸めた値で次の式へ進みます。設計基準強度と 0.85σck とは、丸めた推定強度と平均で比べます。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- テストハンマーによる強度推定調査の6つのポイント(国土交通省大臣官房技術調査課・土木研究所、平成13年12月): ポイント2 乾燥状態の補正、ポイント4 材齢係数、ポイント5 強度の推定の流れ(20 点の平均・±20%・テストハンマー強度の式)、ポイント6 測定結果の評価の流れ(3か所・再調査5か所・0.85σck)。
- テストハンマーによる強度推定調査 FAQ集(土木研究所): 質問3 乾燥状態の補正値、質問4 材齢 20 日の係数、質問5・質問8 材齢係数と材齢の大きいコンクリート、質問6 打撃方向の補正(表−1)、質問7 高強度・高流動コンクリート。
- テストハンマーによるコンクリート強度推定要領(熊本県農林水産部、令和6年4月): 3. 強度の推定方法(測定反発度の丸め)、4. 測定結果の評価方法、資料-1 角度補正値 ΔR1、資料-2 乾燥状況による補正値と材齢による補正係数。
- 土木コンクリート構造物の品質確保(国土交通省東北地方整備局): テストハンマーによる強度推定調査要領(調査の単位と調査か所の数)、テストハンマーによる強度推定調査票(4)(調査か所ごとの推定強度と補正値の並び)。
- 発注者の要領が、打撃方向の補正値・再調査の判定の方法・測定反発度の丸めを別に定めているときは、そちらに従います。
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