長方形版の計算|FEMおよび版理論(簡便法)に対応
v1.0.0
最終更新日: 2026-11-05
インストール不要で使える無料の長方形版の計算用フリーソフトです。このツールは、長方形の版の寸法と4辺の支持条件(固定・回転・自由)、集中荷重・面荷重・版の重量から、版の曲げモーメント・せん断力・たわみを計算します。計算理論は FEM(弾性解析)と版理論(オルゼンの方法)に対応しています。また、断面力とたわみの最大の値と位置、着目点の値、コンター図、変位図を表示し、計算書も出力できます。
このツールで検討できること
- このツールは、長方形の版に集中荷重・面荷重・版の重量を載せて、版の曲げモーメント・ねじりモーメント・せん断力・たわみを計算します。版の4辺それぞれの支持条件は、固定・回転・自由から選択することができます。
- このツールは、断面力とたわみの最大・最小の値とその位置、着目点の値を表に示し、版の曲げモーメントとせん断力のコンター図と変位図を描きます。
- 計算理論は FEM(弾性解析)と版理論(オルゼンの方法)から選択することができます。
対象外・注意が必要な条件
- 版理論で解けるのは向かい合う2辺が回転の版のみです。ほかの支持条件の場合は FEM で解いてください。
- このツールは、版を等方性の弾性体の薄い版として解き、せん断変形を見込みません。
- 集中荷重の直下の断面力は、FEM ではメッシュの細かさによって、版理論では載荷面の大きさによって値が変わります。
リアルタイムプレビュー(計算結果)
入力に応じて自動更新断面力とたわみの最大・最小の値
計算結果の詳細
着目点の断面力とたわみ
版の変位図
この図は、版のたわみの大きさを強調して描いています。破線は変形する前の版です。
計算の条件
計算方法と適用範囲
計算式・適用範囲・使用基準と参考文献
このツールで計算できること
このツールは、長方形の版に集中荷重や面荷重が載ったときの、版の曲げモーメント・ねじりモーメント・せん断力・たわみを計算します。また、スラブ・床版・底版・蓋版・基礎版など、版として働く部材の断面力の検討に使います。ただし、このツールは部材の断面の照査を行いません。
計算方法・使用式
- このツールは、厚さが幅や長さに比べて小さい等方性の弾性体の版を、Kirchhoff(キルヒホッフ)の薄板理論で解きます。この理論は、変形の前に中立面に垂直だった線が変形のあとも中立面に垂直なままと仮定し、せん断変形を見込みません。版のたわみ w は D∇⁴w=q を満たします。
- D は版の曲げ剛性で、D=E t³/12(1-ν²) です。E は版の変形係数、t は版厚、ν はポアソン比です。このツールは、たわみは下向きを正、曲げモーメントは版の下側が引張になるときを正とします。断面力はどれも版の幅 1 m あたりの値です。
- 曲げモーメント Mx は x 方向の垂直応力による曲げモーメントで、x 方向の鉄筋で受け持ちます。曲げモーメントは Mx=-D(∂²w/∂x²+ν ∂²w/∂y²)、My=-D(∂²w/∂y²+ν ∂²w/∂x²) で求めます。ねじりモーメントは Mxy=-D(1-ν) ∂²w/∂x∂y です。
- せん断力は Qx=-D ∂(∇²w)/∂x、Qy=-D ∂(∇²w)/∂y です。Qx は x 軸に垂直な断面に働く力、Qy は y 軸に垂直な断面に働く力です。
- 辺の支持条件のうち、固定は辺のたわみと傾きを拘束します。回転は辺のたわみを拘束し、辺を軸にした回転は拘束しません。自由は辺の動きを何も拘束しません。このツールは、固定の辺が無く、回転の辺が1つ以下の版を、不安定構造としてエラーにします。
- FEM(弾性解析)は、版を長方形の要素に分割して解きます。節点の未知数は、たわみ・2方向の傾き・ねじれ率の4つです。要素の中のたわみは、双三次の式で表します。このツールは、集中荷重の位置と面荷重の縁に節点を置き、その間をメッシュの基本ピッチ以下の要素に分割します。
- 版理論(オルゼンの方法)は、荷重とたわみを回転の2辺の間の正弦級数で表し、もう一方の向きの変化は微分方程式を解いて求めます。残りの2辺の支持条件は、固定・回転・自由から選択することができます。版理論で解けるのは向かい合う2辺が回転の版のみです。ほかの支持条件の場合は FEM で解いてください。
- 版理論は、点の荷重の直下で級数が収束しないため、集中荷重を、入力した一辺の正方形の面に広げて解きます。FEM は、集中荷重を点のまま節点に載せます。
- 薄板理論では、点の荷重の直下で曲げモーメントとせん断力の値が無限大になります。そのため断面力の直下の値は、FEM ではメッシュの細かさによって、版理論では載荷面の大きさによって変わります。一方で、たわみの値はほとんど変わりません。
- 実際の荷重は面で載ります。荷重の直下の断面力を使うときは、車輪の接地面や台座の大きさを面荷重として入力します。
入力と出力
入力: 計算理論、版の幅・長さ・厚さ・ポアソン比、4辺の支持条件、版の重量を見込むか(単位体積重量)、集中荷重(荷重と位置)、面荷重(荷重と中心の位置・幅・長さ)、着目点の位置、たわみを計算するか(変形係数)、メッシュの基本ピッチ。
出力: 曲げモーメント Mx・My、ねじりモーメント Mxy、せん断力 Qx・Qy、たわみ w の最大・最小の値と位置、着目点の値、コンター図、変位図、計算した点の数と全荷重。計算過程つきの帳票(計算書)も出力できます。
適用範囲・計算上の仮定
- このツールは、厚さが一定の等方性の版を、弾性の薄い版として解きます。また、ひび割れによる剛性の低下、せん断変形、鉄筋の配置の違いを見込みません。厚い版では、実際の版とのあいだで、たわみとせん断力の分布に差が出ます。
- 自由の辺の上でも、Qx・Qy は 0 になりません。薄板理論では、自由の辺で 0 になるのは、せん断力にねじりモーメントの変化を加えた値であるためです。
- 固定の辺と自由の辺が交わる角や、面荷重の角では、断面力の値がメッシュの細かさによって変わります。
- このツールは、版の重量を版の全面に一様に載せます。また、面荷重のうち版の外へ出た部分は版に載せません。
- このツールは、メッシュの基本ピッチが版の大きさに対して細かすぎるときは、計算量が大きくなりすぎるためエラーにします。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- このツールの解き方は、弾性論の版の理論によります。ポアソン比の既定値 1/6 は、日本道路協会「道路橋示方書・同解説 Ⅲコンクリート橋・コンクリート部材編」平成29年11月の 4.2.3 の解説によります。版の断面力の算出は、同編の 14.3.1 を参考にしています。
- 支持条件と荷重の組合せ、適用する基準の許容値による照査は、設計者が確かめてください。
このツールについてのご意見・不具合のご報告 改善のため、お気づきの点をお寄せください
このツールの改善のため、お気づきの点をお寄せください。内容は公開されません。
送信した内容の控え
このブラウザのタブを閉じると、控えは消えます。必要なら、コピーして残してください。