ガレージボックスの設計|盛土等規制法・道路土工指針に対応

v1.0.1 最終更新日: 2026-10-20

インストール不要で使える無料のガレージボックス設計計算用フリーソフトです。ガレージボックス(前面が開いた鉄筋コンクリートの箱型の車庫)を、道路土工 カルバート工指針に準じて奥行き1mあたりの閉合ラーメンで解き、頂版・側壁・底版と奥壁の曲げとせん断を許容応力度法で照査します。背面の土圧で前面へ押される向きの滑動・転倒・支持も、道路土工-擁壁工指針か盛土等防災マニュアルの解説の所要の値で確かめます。

このツールで検討できること
  • 前面が開いた1連の場所打ち鉄筋コンクリートのガレージボックスを、奥行き1mあたりの閉合ラーメン(頂版・左右の側壁・底版)として骨組解析し、曲げ(外側引張・内側引張)とせん断を許容応力度法で照査します。
  • 奥壁は頂版と底版で支える版として、上下端を固定とした接合面の曲げと、上下端を単純支持とした中央の曲げの両方で照査します。
  • 背面の静止土圧で前面へ押される向きの滑動・転倒・支持を、道路土工-擁壁工指針か盛土等防災マニュアルの解説の所要の値で照査します。
対象外・注意が必要な条件
  • 常時の照査です。地震時の照査は行いません。盛土等防災マニュアルの解説は、一般に高さ2mを超える擁壁では中地震時・大地震時の検討も行うものとしています。
  • 底版のある1連の矩形断面が対象です。前面は全面が開いているものとし、多連・プレキャスト製品は対象外です。
  • 地下水位は底版より下とし、水圧・浮力・浮上がりは見込みません。前面の受働土圧・側壁と土の摩擦も見込みません。
  • 建築基準法による構造計算は行いません。車庫に使う箱型の構造物の扱い(宅地造成の許可や建築確認)は、自治体にご確認ください。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 基本条件

背面の土圧で箱が前面へ押される向き(縦断方向)の滑動・転倒・支持の所要の値です。滑動の安全率1.5と、支持(最大の地盤反力度が許容支持力度以下)はどちらも同じです。道路土工-擁壁工指針は転倒を合力の作用位置(底面中央から L/6 以内)で、盛土等防災マニュアルの解説は安全率(安定モーメント ÷ 転倒モーメント ≧ 1.5)で確かめます。合力が L/6 以内であれば、安全率1.5も満たします。

側壁と奥壁に作用する水平土圧を、その位置の鉛直応力に乗じる静止土圧係数です。カルバート工指針は、通常の砂質土・粘性土では0.5としてよく、土質や締固めの方法によって0.4〜0.7程度の幅があるとしています。側方土圧が小さいほど頂版・底版の中央部の曲げモーメントは大きくなるため、条件に幅がある場合は上下限で計算して不利側を採用してください。

2. 躯体形状

左右の側壁の内面間の距離です。躯体の外幅は B = B0 + 2×t2 として自動算出します。

頂版の下面から底版の上面までの距離です。躯体の外高は H = H0 + t1 + t3 として自動算出します。

前面(車の出入口)から奥壁の背面までの、躯体の外側の長さです。頂版・側壁・底版はこの長さで続き、奥壁はその奥の端に入ります。縦断方向の滑動・転倒・支持の底面の長さになります。

頂版の部材厚です。骨組解析では頂版の部材中心線(上面から t1/2 の位置)をモデル化します。

側壁の部材厚です。左右対称とし、部材中心線は側壁の中心(外面から t2/2 の位置)となります。

底版の部材厚です。底面には等分布の地盤反力が作用するものとして扱います。

奥壁の部材厚です。奥壁は頂版と底版で上下を支える版(幅1m)として、背面の土圧で照査します。

頂版と側壁の隅角部に設ける45度の等辺ハンチの寸法です。0とした場合はハンチなしとして扱います。ハンチ部は断面高さが線形に変化する変断面として骨組解析に取り込みます。照査ではハンチの中の断面高さをハンチ端から1:3の線で取ります。

底版と側壁の隅角部に設ける45度の等辺ハンチの寸法です。0とした場合はハンチなしとして扱います。

3. 土被り・上載荷重

頂版上面から地表面までの高さです。舗装厚 tp はこの土被りに含まれるものとして扱い、土の厚さは h − tp となります。背面の土圧は、地表面から底版下面までの高さ(h + H)に作用させます。

土被りのうち舗装が占める厚さです。舗装は土より単位体積重量が大きいため、鉛直土圧の算定では土と分けて集計します。舗装がない場合は0としてください。

宅地の等分布荷重は、頂版の上と背面・側方の地表面に一様に載る荷重です。頂版に載せる組と側方に載せる組(水平土圧 K・q)に分けて解きます。頂版の上に車両が乗り入れる場合は、自動車のT荷重を選んでください。カルバート工指針の式(解4-1・解5-3)により、後輪荷重を土被りで分散させた鉛直土圧を頂版に載せ、側方と背面には 10 kN/m2 の載荷重による水平土圧を作用させます。

盛土等防災マニュアルの解説は、住宅地では一般的な戸建て住宅が建てられることを想定して、5〜10 kN/m2 程度の均等荷重をかけることを標準としています。住宅地以外の土地利用では、実状に応じた値を入力してください。

4. 材料

カルバート工指針 解表4-5の土の単位体積重量です。選ぶと γ に参考値が入り、個別に直せます。自然地盤は密なものの値で、緩いものは砂および砂礫18・砂質土17・粘性土14 kN/m3です。土質試験を行う場合はその値を入力してください。

頂版の上の土と、側方・背面の土の単位体積重量です。地下水位は底版より下として扱います。

コンクリートのヤング係数を、この値から自動的に定めます(骨組解析の部材剛性に用います)。

許容引張応力度の既定値の目安に用います。実際の照査には「許容値」ステップで指定する値を用います。

5. 基礎条件

縦断方向の滑動の照査に用いる、底版と基礎地盤の間の摩擦係数です。カルバート工指針 解表4-8は、岩盤0.7・礫層0.6、割り栗石または砕石を敷く場合の砂質土0.6・粘性土0.5とし、基礎地盤が土の場合は0.6を超えないものとしています。盛土等防災マニュアルの解説(政令別表第三)は、岩・岩屑・砂利・砂0.5、砂質土0.4、シルト・粘土0.3です。底面の付着力は見込みません。

底面地盤の許容支持力度です。縦断方向の偏心を考えた最大の地盤反力度がこの値以下であることを照査します。カルバート工指針 解表4-7は、常時の値を砂質地盤の中位なもので200、粘性土地盤の堅いもので100 kN/m2などとしています。

6. 配筋条件

鉄筋の中心からコンクリート表面までの距離(芯かぶり)です。有効高は「部材厚 − 芯かぶり」として算出します。

奥壁の背面(土に接する側)の鉄筋です。上下端を固定とした接合面の曲げで引張になります。

奥壁の車庫側の鉄筋です。上下端を単純支持とした中央の曲げで引張になります。

7. 許容値

σck = 24 N/mm2 のとき8.0N/mm2程度が用いられます。

コンクリートのみでせん断力を負担する場合の許容せん断応力度です。有効高dと軸方向引張鉄筋比ptによる補正係数を自動で乗じます。

カルバート工指針 表4-10 は、SD345 の一般の部材で180N/mm2としています。

リアルタイムプレビュー

計算方法と適用範囲

計算式・適用範囲・使用基準と参考文献

このツールで計算できること

宅地の前面に設ける、前面が開いた1連の場所打ち鉄筋コンクリートのガレージボックスの設計計算を行います。頂版・左右の側壁・底版を奥行き1mあたりの閉合ラーメンとして骨組解析し、各断面を許容応力度法で照査します。

奥壁は頂版と底版で支える版として照査し、背面の土圧で箱が前面へ押される向き(縦断方向)の滑動・転倒・支持も確かめます。設計の考え方は、道路土工 カルバート工指針の剛性ボックスカルバートの設計に準じています。

計算方法・使用式

  • 解析モデル: 部材中心線による閉合ラーメンを平面骨組のマトリクス変位法(直接剛性法)で解きます。ハンチ部は断面高さが線形に変化する変断面として要素に取り込みます。奥壁から離れた一般部の断面を解きます。
  • 荷重: 鉛直土圧(土被り土・舗装の重量)、上載荷重、側方土圧(鉛直応力×静止土圧係数K)、躯体自重、底面反力(全鉛直荷重を底版に等分布)を考慮します。

    上載荷重は、宅地の等分布荷重 q か自動車のT荷重を選びます。T荷重は縦断方向単位長さ当たりの荷重を、接地幅0.2mから45度で分散させた幅 2h+0.2 で除します(土被り4m以上では一様10kN/m2)。

  • 荷重の組合せ: 常時の「死荷重+上載荷重+土圧」と「死荷重+土圧」(上載荷重なし)を解きます(4-2-1)。上載荷重を載せる組は解図5-9の2通りに分けます。

    (a)は頂版に上載荷重による鉛直土圧を載せ、側壁は土の水平土圧だけとします。(b)は頂版には載せず、側壁に上載荷重による水平土圧(q・K、T荷重では 10・K)を載せます。

  • 照査断面: 曲げは部材の接合面から内側の全ての断面(ハンチの中を含む)について、外側引張・内側引張のそれぞれで最も不利な断面と組合せを採ります。剛域は考えません。

    ハンチの中の断面高さは、ハンチ端から1:3の線で取ります(解図5-15(b))。せん断は部材の接合面からh/2の断面で、同じく1:3の断面高さを用いて照査します(解図5-15)。

  • 断面照査: 許容応力度法(単鉄筋長方形断面、ヤング係数比n=15、コンクリートの引張は無視)により、コンクリート圧縮σc・せん断τ・鉄筋引張σsを照査します。曲げの応力度は軸方向力を考慮して求めます(5-4-2)。

    許容せん断応力度には、有効高(表4-4)・軸方向引張鉄筋比(表4-5)・軸方向圧縮力(式4-1)による補正係数を乗じます。

  • 奥壁: 頂版と底版の部材中心線のあいだを支間とする幅1mの版として、背面の静止土圧(台形分布)で解きます。指針に奥壁の支え方の定めは無いため、接合面の外側引張は上下端を固定とした曲げで照査します。

    中央の内側引張は上下端を単純支持とした曲げで照査し、せん断は接合面から h/2 の断面で、両方の支え方のうち大きい方を採ります。どれだけ頂版・底版が回転するかの不確かさを、両側から安全側に見る考え方です。

  • 縦断方向の安定: 躯体と頂版の上の土の重量を鉛直力とし、奥壁の背面の鉛直な面(地表面から底版下面まで)に作用する静止土圧を水平力として、躯体の全体で照査します。

    上載荷重は支持の照査だけに入れ、滑動・転倒には入れません(躯体の上の載荷重は安定に有利に働くため。擁壁工指針 4-2-3)。背面の地表面の上載荷重は、水平土圧として入れます。

    滑動は安全率1.5以上、支持は最大の地盤反力度が許容支持力度以下とします。転倒は、道路土工-擁壁工指針では合力の作用位置が底面中央から L/6 以内、盛土等防災マニュアルの解説では安全率 Mr/Mo が1.5以上とします。

  • 構造細目: 指針5-6が準じてよいとしている道路橋示方書Ⅳ 5.2.1 により、部材表面に沿った幅1mあたりの鉄筋量500mm2以上・配置間隔300mm以下を確かめます。

    引張鉄筋量は釣合い鉄筋量以下(同解説の「有効断面積の2%以下」)、内外の合計は全断面積の6%以下とします。部材厚200mmは出典の無い目安なので、参考として示すだけです。

入力と出力

入力: 縦断方向の安定の基準と静止土圧係数K、躯体形状(内空幅・内空高・奥行き・頂版/側壁/底版/奥壁の厚さ・ハンチ寸法)、土被り・舗装厚・上載荷重の種類と大きさ、材料(γ・Fc・鉄筋材)、底面と地盤の摩擦係数・許容支持力度、配筋(部位・内外別の径・ピッチ・芯かぶり)。

出力: 曲げモーメント図・せん断力図と各設計断面の断面力、頂版・側壁・底版・奥壁の曲げとせん断の応力度照査のOK/NG判定、縦断方向の滑動・転倒・支持の照査、構造細目、配筋の提案。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 底版のある1連の矩形断面(場所打ちRC)を対象とし、前面は全面が開いているものとします。多連・プレキャスト製品は対象外です。
  • 常時の設計です。地震時の照査は行いません。カルバート工指針は、門形以外の従来型の剛性ボックスカルバートで地震動の照査を省略してよいとしていますが、特殊な構造形式は照査の要否を含めて検討するのがよいとしています。

    盛土等防災マニュアルの解説は、一般に高さ2mを超える擁壁では中地震時・大地震時の検討も行うものとしています。ガレージボックスの設置条件に応じて、地震時の検討の要否を確かめてください。

  • 地下水位は底版より下とし、水圧・浮力・浮上がりは見込みません。背面の排水(水抜き穴・裏込め排水工)を設け、地下水位の上昇が想定されないことを前提としています。
  • 横断方向は奥壁から離れた一般部の断面を解きます。奥壁が頂版・側壁を支える効果は見込みません。奥壁は1方向の版として解き、側壁で支える効果(2方向版)と、奥壁に加わる頂版の重さ(軸方向力)は見込みません。
  • 縦断方向の安定では、背面の土圧を静止土圧(壁面摩擦角0)とし、前面の受働土圧・側壁と土の摩擦・底面の付着力は見込みません。
  • 支持の照査に入れるT荷重は、指針の式(解5-5)の単位長さ当たりの活荷重の合計のうち、箱の上面に載る分(後輪は分布幅 2h+0.2 のうち外幅に載る幅、前輪は箱にかかる幅の分)を、奥行きの全長に載せます。

    骨組の頂版には、ボックスカルバートの設計と同じく、後輪(と前輪)の鉛直土圧を全面に一様に載せます。

  • 建築基準法による構造計算は行いません。車庫に使う箱型の構造物の扱い(宅地造成の許可の構造審査や建築確認)は、自治体によって異なりますので、計画の段階でご確認ください。
  • せん断力が許容せん断応力度を超える場合は、断面寸法や配筋の見直しで対応してください。耐久性(塩害)、温度変化・乾燥収縮の影響、前面の壁やまぐさ、翼壁などの付属構造物は扱いません。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 道路土工−カルバート工指針(平成21年度版、日本道路協会): 鉛直土圧(式(解5-1))、水平土圧(式(解5-2))、活荷重(式(解4-1)(解4-2)・解表4-3・式(解5-3)(解5-4)・解表5-4)、荷重の組合せ(4-2-1・解図5-9・解図5-10)、許容応力度(表4-3〜表4-5・表4-10)、照査断面(5-7(2)、解図5-15)、底面の地盤反力(式(解5-5))、摩擦係数(解表4-8)、許容支持力度(解表4-7)。 Amazonで見る
  • 道路土工−擁壁工指針(平成24年度版、日本道路協会): 載荷重の載荷方法(4-2-3、解図4-2)、直接基礎の擁壁の安定性の照査(5-3-2。滑動の安全率1.5、転倒は合力の作用位置が底面中央から B/6 以内)。カルバート工指針 5-9(3) は、門形カルバートの滑動の照査を擁壁工指針に準じて行うとしています。 Amazonで見る
  • 盛土等防災マニュアルの解説〔Ⅰ〕(令和5年11月): 擁壁の照査のための検討事項と安全率(Ⅷ・3・2・1、表Ⅷ・3-8。常時の転倒1.5・滑動1.5・支持力3.0)、積載荷重(Ⅷ・3・2・2、住宅地で5〜10kN/m2程度)。 Amazonで見る
  • 道路橋示方書・同解説 Ⅳ下部構造編(平成29年11月、日本道路協会)5.2.1: 最小鉄筋量・最大鉄筋量(カルバート工指針 5-6 が準じてよいとしているもの)。 Amazonで見る

静止土圧係数Kは、指針が通常の砂質土・粘性土(wL<50%)に対して0.5としてよいとしている値を既定にしています。摩擦係数と許容支持力度は、基礎地盤の調査の結果や、審査を受ける基準・自治体の取扱いに合わせて入力してください。

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