土留(山留め工)の設計(弾・塑性法)|掘削段階ごとの梁・ばねモデルによる計算
インストール不要で使える無料の土留め・山留め工の設計計算用フリーソフトです。自立式・切梁式の山留めについて、掘削段階ごとに山留め壁の応力・変形と切梁反力を求め、根入れ長さの検討、山留め壁の断面算定、腹起し・切梁・火打ち・中間杭の設計を行うことができます。
- 鋼矢板・親杭横矢板・ソイルセメント柱列壁(SMW)について、弾塑性法(梁・ばねモデル)により、掘削段階ごとの山留め壁の変位・断面力と切梁反力を求めます。
- 自立式・切梁式に対応し、根入れ長さの検討、山留め壁の断面算定、支保工(腹起し・切梁・火打ち・中間杭)の設計まで一連で行えます。
- 掘削側の根入れ部にだけ地盤ばねを設けるモデルです。背面側にも地盤ばねを設ける両面ばねモデルによる解析は行いません。
- 支保工は水平切梁を対象とします。逆打ち工法の躯体・スラブによる支持、地盤アンカーには対応していません。
- 根切り底面の安定(ヒービング・ボイリング・盤ぶくれ)の検討は対象外です。必要に応じて別途ご検討ください。
- 延長1mあたり(親杭横矢板は杭1本あたりに換算)の2次元計算です。周辺地盤の変形・近接構造物への影響の予測は対象外です。
リアルタイムプレビュー(断面図)
入力に応じて自動更新計算方法と適用範囲
このツールで計算できること
山留め工(鋼矢板・親杭横矢板・ソイルセメント柱列壁(SMW))について、弾塑性法(梁・ばねモデル)による設計計算を行います。掘削段階ごとに山留め壁の変位・曲げモーメント・せん断力と切梁反力を求め、根入れ長さの検討、山留め壁の断面算定、支保工(腹起し・切梁・火打ち・中間杭)の設計まで一連で行います。
計算方法・使用式
- モデル: 山留め壁を梁、掘削側根入れ部の地盤と切梁をばねとする梁・ばねモデルです(山留め設計指針 6.4.2、(6.4.1)(6.4.8)式)。山留め壁は有限長とし、両端の境界条件は自由としています。
- 荷重: 背面側の設計用側圧((4.1)式 側圧係数法または(4.2)式 ランキン・レザール式)から平衡側圧を差し引いた値を荷重とし、負となる範囲は0とします(指針6.4.2(2)b))。根切り底より浅い範囲は背面側の設計用側圧をそのまま用います。
- 平衡側圧: 山留め壁が変位しないと仮定した場合に掘削側根入れ部へ作用する側圧です((4.5)式)。平衡土圧係数は、除荷に伴う土圧の残留を考慮する方法(図4.2.5(b)、(4.2.2)式 Koq=K0・OCR^α)と、根切り底から静止側圧を想定する方法(図4.2.5(a)、Koq=K0)から選択できます。係数αは砂質土でsinφ、粘性土で0.6としています。
- 水平地盤反力: 水平地盤反力係数を勾配とし、最大水平地盤反力 pmax(=掘削側側圧の上限値-平衡側圧)を上限とするバイリニア型の関係で与えます((6.4.6)式、図6.4.3)。上限に達した範囲は、それ以上抵抗が増えないものとして解きます。
- 支保工: 切梁のばね定数は K=α・2EA/(a・l) によります((6.4.9)式)。切梁は設置する時点の山留め壁の変位を基準とし、それ以降の変位の増分に対して抵抗します(図6.4.8)。プレロードは、反力と変位の関係をその分だけ移動させて評価します(6.4.2(4)f))。
- 掘削段階: 各段の切梁について入力した「設置する時点の根切り深さ」から掘削段階を組み立て、浅い段階から順に解きます。前の段階の変位を切梁の基準として引き継ぐことで、施工過程を考慮した結果が得られます(6.4.2(4)e))。
- 断面算定: 全段階を通じた最大曲げモーメント・最大せん断力により、山留め壁の応力度を許容応力度と比較します(6.5、(6.5.1)〜(6.5.7)式)。支保工は各段の最大反力を用いて、腹起しの曲げ・せん断、切梁の軸力と座屈、火打ちの軸力、中間杭を検討します(6.6)。鋼材の許容応力度は5.2((5.1)〜(5.4)式・表5.1)により、新品・転用の別も考慮します。
入力と出力
入力: 工法(自立式/切梁式)・壁種別(鋼矢板/親杭横矢板/SMW)・掘削深さ・根入れ長・側圧の算定方法・平衡側圧の設定方法・上載荷重・地下水位・山留め壁の分割ピッチ、地層条件(複数層。層厚・土質・N値・γ・c・φ・側圧係数K・静止土圧係数K0・水平地盤反力係数kh)、山留め壁の諸元、支保工の諸元(段数・設置深さ・設置時の根切り深さ・プレロード・切梁の緩み係数・部材断面など)。
出力: 掘削段階ごとの山留め壁の変位・曲げモーメント・せん断力の分布と最大値、水平地盤反力が上限に達した範囲、切梁反力の推移、力の釣合いの確認、必要根入れ長さと安全率、山留め壁および支保工各部材の応力度照査のOK/NG判定。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。
適用範囲・計算上の仮定
- 掘削側の根入れ部にだけ地盤ばねを設けるモデルです。背面側にも地盤ばねを設ける両面ばねモデル(指針6.4.2(5))による解析は行いません。プレロードを導入した時点そのものの挙動も算定しません(設置後の段階に、指針の簡便な方法で効果を反映します)。
- 支保工は水平切梁を対象とします。逆打ち工法の躯体・スラブによる支持、地盤アンカーには対応していません。
- 根切り底面の安定(ヒービング・ボイリング・盤ぶくれ)の検討は対象外です。必要に応じて別途検討してください。支保工が2段以上の場合、根入れ長さの検討はこの安定検討をもって替えることができるとされています。
- 延長1mあたり(親杭横矢板は杭1本あたりに換算)の2次元計算です。平面的な形状効果・隅角部は考慮しません。周辺地盤の変形・近接構造物への影響の予測は対象外です。
- 山留め壁の変位は、水平地盤反力係数と平衡側圧の設定に大きく左右されます。これらは地盤調査結果や近傍の計測実績に基づいて設定してください。
使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項
- 山留め設計指針(日本建築学会): 側圧(4.2、(4.1)〜(4.5)式)、平衡土圧係数(4.2(3)、(4.2.2)式、図4.2.5)、形鋼材の許容応力度(5.2、表5.1)、根入れ長さ(6.2)、梁・ばねモデル(6.4.2、(6.4.1)〜(6.4.9)式、図6.4.2・図6.4.3・図6.4.8)、水平地盤反力係数の推定範囲(図6.4.4・図6.4.5)、山留め壁の断面算定(6.5)、支保工(6.6)。 Amazonで見る
土質定数・地下水位・上載荷重の設定、水平地盤反力係数と静止土圧係数の設定、掘削順序と支保工設置のタイミング、根切り底面の安定、周辺への影響、施工時の計測管理計画は、設計者が現場条件に応じて別途確認してください。道路・鉄道等の事業では各管理者の仮設基準が優先される場合があります。
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