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不等流計算|開水路の水面形を標準逐次計算法でブラウザで計算(常流・射流・跳水)

v1.0.1 最終更新日: 2026-11-03

インストール不要で使える無料の不等流計算用フリーソフトです。このアプリは、断面を並べた開水路(矩形・台形)の流量・粗度係数・出発水位から、標準逐次計算法で水面形を求めます。常流は下流端から、射流は上流端から追い、両方が出る区間では比力が等しくなる位置を跳水の位置として求めます。断面ごとの水位・流速・フルード数と天端との差を表にし、水面形の縦断図を描きます。入力のたびに計算し、計算の点の表を CSV で、計算書を帳票で出力できます。

このツールで検討できること
  • 矩形・台形の断面を下流端から上流へ並べ、流量・運動量補正係数・粗度係数から、標準逐次計算法で断面の間の水位を追います。摩擦損失はマニング式で求めます。
  • 常流は下流端の水位(水位を入れる・等流水深・限界水深)から上流へ、射流は上流端の水深から下流へ追います。両方が出る区間では、比力が等しくなる位置を跳水の位置として求めます。
  • 断面ごとの水深・水位・流速・フルード数・エネルギー水位と、天端高を入れた断面の天端と水位の差を求め、所要の余裕高と比べます。
対象外・注意が必要な条件
  • 断面は矩形と台形(左右同じのり勾配)の単断面として計算します。流量は計算する区間の中で変わらないものとします。
  • 損失は摩擦損失だけを見ます。断面の急な変化・湾曲・橋脚・落差工などによる局所的な損失は見込みません。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 流量と係数

計算する区間を流れる流量です。区間の中で流量は変わらないものとして計算します。

流速の分布を補う係数です。河川砂防技術基準 調査編では、断面の中の粗度が一様な単断面の河道で、1.0〜1.1 程度の一定値として扱います。

入れた断面の間を、この長さより短くなるように等しく分けて計算します。小さくするほど細かく計算し、跳水の位置も細かく決まります。

2. 断面

最大100断面

下流端から上流端までに並べる断面の数です。断面は下流端(断面1)から上流へ並べ、追加距離は下流端から上流へ測った距離で入れます。河床高と天端高は同じ基準の標高です。のり勾配(1:m の m)に 0 を入れた断面は矩形、0 より大きい値を入れた断面は台形(左右同じのり勾配)として計算します。天端高は空でも計算します(空の断面は天端との差を出しません)。

Excel・CSVから一括で貼り付ける

「追加距離」「河床高」「底幅」「のり勾配」「粗度係数」「天端高」の順の列を、下流端の断面から貼り付けて、「表に反映」を押します。天端高の列は無くても読みます。頭に断面の名前の列があっても読みます。上流端から並べた表は、下流端からの順に並べ直して読みます。区切りはタブ・カンマ・空白のどれでも読み、見出しの行は読み飛ばします。

断面 追加距離 (m)河床高 (m) 底幅 (m)のり勾配 1:m 粗度係数天端高 (m)
断面1
断面2
断面3
断面4
断面5
断面6
断面7

3. 出発水位

常流の水面は、下流端の水位から上流へ追います。合流先の河川の水位や河口の潮位から決めた水位があるときは「水位を入れる」を選びます。合流先の水位の影響を受ける水路では、等流水深から決めた水位が低く出ることがあります。「等流水深」は断面1 と断面2 の間の河床勾配の等流水深、「限界水深」は下流端で水面が限界水深を通る(段落ちなど)ときです。

射流の水面は、上流端の水深から下流へ追います。上流端から射流が入ってこない水路(上流端が常流)では、どれを選んでも結果は同じです。急な勾配の水路が上流端で限界水深を通るときは「限界水深」、上流から同じ勾配の水路が続くときは「等流水深」、ゲートの下などで水深が決まっているときは「水位を入れる」を選びます。

4. 天端と水位

天端高を入れた断面で、天端高 − 水位 がこの値以上かを見ます。適用する基準で決めた余裕高を入れます。0 のときは、水位が天端を超えないかを見ます。

リアルタイムプレビュー(計算結果)

入力に応じて自動更新

水面形の要約

水面形の縦断図

天端と水位の照査

計算の内訳

断面ごとの水位

跳水

標準逐次計算法の計算の例(最初の区間)

計算の点ごとの水位

Excel で開ける形式(UTF-8)で保存します。

計算方法と適用範囲 計算式・適用範囲・使用基準と参考文献

このツールで計算できること

水路や小さな河川で、流れの途中の水深(水面の高さ)を求める不等流計算です。断面を下流端から上流へ並べ、流量・粗度係数・出発水位から、標準逐次計算法で水面形を求めます。合流先の水位によるせき上げ背水の確認、天端との余裕の確認、急な勾配の区間で起きる射流と跳水の位置の確認に使います。

計算方法・使用式

  • 不等流とは、流量は一定のまま、場所によって水深や流速が変わる流れのことです。水路の勾配・断面・粗度が場所で変わるときや、下流の水位が高いとき(合流先の河川の水位など)は、水深は等流水深から外れ、水面は曲線になります。この水面の形を水面形と呼びます。
  • 不等流計算では、隣り合う2つの点の間で、エネルギー水位(水位+速度水頭)の差が摩擦損失に等しいとして、まだ分からない側の水深を求めます。これを下流端から上流へ(射流では上流端から下流へ)くり返して水位をつないでいく方法を、標準逐次計算法と呼びます。
  • 摩擦損失は、区間の両端の摩擦勾配の平均に区間の長さを掛けて求めます。摩擦勾配は、マニング式を変形した I_f=n² V²/R^{4/3} です。点の間の距離が長いと誤差が大きくなるため、本ツールでは断面の間を、指定した間隔の上限より短く等しく分けて計算します。
  • 流れには、フルード数 Fr が 1 より小さい常流と、1 より大きい射流があります。常流の水面は下流の水位の影響を受けるため、下流端の水位から上流へ追います。射流の水面は上流の水深で決まるため、上流端の水深から下流へ追います。Fr=1 になる水深が限界水深です。
  • 緩い勾配の水路が急な勾配の水路へ変わる所(急流工や落差工の上流端など)では、水面が限界水深を通り、常流から射流へ移ります。本ツールでは、上流へ追う常流の水深が求まらない(限界水深より上にエネルギーが足りない)点で水面が限界水深を通るものとし、そこから下流を射流として追います。
  • 射流から常流へ移る所では、跳水が起きます。跳水の位置は、運動量の式から、上流から来る射流の比力と、下流から追った常流の比力が等しくなる位置として求めます。比力とは、断面を通る運動量と水圧の和を単位体積重量で割った量のことで、M=βQ²/(gA)+Aȳ(ȳ は水面から断面の図心までの深さ)です。
  • 跳水の前後の水深は、比力が等しい2つの水深の組で、共役水深と呼びます。矩形の水路では、跳水後の水深と跳水前の水深の比が (√(1+8Fr₁²)-1)/2 になります。跳水では大きなエネルギーの損失があるため、跳水を挟む区間は、摩擦損失の式でつながず比力でつなぎます。
  • 出発水位は、計算の結果に大きく効きます。合流先の河川や海に流れ込む水路では、合流先の水位や潮位から下流端の水位を決めるのが一般的です。水路の等流水深から下流端の水位を決めると、合流先の水位より低く出て、背水の影響を見落とすことがあります。
  • 運動量補正係数 β は、断面の中の流速の分布のむらを補う係数です。粗度が一様な単断面の水路では、1.0〜1.1 程度の一定値として扱われます。本ツールでは、速度水頭・フルード数・比力のすべてに同じ β を掛けています。

入力と出力

入力: 流量、運動量補正係数 β、計算の間隔の上限、断面ごとの追加距離・河床高・底幅・のり勾配・粗度係数・天端高(天端高は任意)、常流の出発水位(下流端の水位・等流水深・限界水深)、射流の出発水深(限界水深・等流水深・上流端の水位)、所要の余裕高。

出力: 流れの区分、限界水深を通る点、跳水の位置と前後の水深・フルード数、断面ごとの水位・水深・限界水深・流速・フルード数・天端との差、計算の点ごとの水位・エネルギー水位・摩擦勾配・損失水頭の表(CSV で保存できます)、天端と水位の照査の結果、水面形の縦断図。計算過程つきの帳票(計算書)も出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 断面は矩形と台形(左右同じのり勾配)の単断面として計算します。高水敷のある複断面や、断面の中で粗度の異なる水路は扱いません。
  • 流量は計算する区間の中で一定とします。支川の合流や横からの流入がある水路では、流入の前後で区間を分けて計算します。
  • 損失は摩擦損失だけを見ます。断面の急な拡大・縮小、湾曲、橋脚、落差工などによる局所的な損失は見込みません。
  • 追加距離は水平距離として扱い、水深は鉛直に測ります。急な勾配の水路でも、勾配による水深の向きの補正はしません。
  • 跳水の位置は、2つの計算の点の間で比力の差を直線で補って求めます。計算の間隔の上限を小さくするほど、細かく決まります。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 国土交通省 河川砂防技術基準 調査編: 第5章 第4節 4.1(一次元不等流計算)。
  • 国土交通省 水管理・国土保全局 小規模河川の氾濫推定図作成の手引き(令和2年6月): 5.5(下流端の水位)、技術参考7(下流端水位の設定)。

比力と共役水深の式は、運動量の式から求めています。

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