バーチカル計算|縦断曲線の計画高・縦距・縦断勾配をブラウザで計算(道路構造令の照査)

v1.0.0 最終更新日: 2026-10-26

インストール不要で使える無料のバーチカル計算用フリーソフトです。このアプリは、前後の縦断勾配と縦断曲線長(または縦断曲線の半径)から、縦断曲線の始点(BVC)・終点(EVC)と、曲線の中の各測点の計画高・縦距・縦断勾配を求めます。BP から EP までの縦断線形(勾配が変わる点を最大 20 か所)の計画高も一度に計算し、道路構造令の縦断勾配と縦断曲線の半径・長さの値と比べます。入力のたびに計算し、測点の表を CSV で、計算書を帳票で出力できます。

このツールで検討できること
  • VIP の追加距離と計画高、前後の縦断勾配、縦断曲線長 L か半径 R から、縦断曲線の始点(BVC)・終点(EVC)・中央縦距と、頂点(最低点)の位置と計画高を求めます。
  • 測点ごとに、接線の高さ・縦距・計画高・縦断勾配の表を作ります。BP から EP までの縦断線形では、BP・VIP・EP の追加距離と計画高から区間の縦断勾配を求め、VIP ごとに縦断曲線を入れます。
  • 道路の区分と設計速度を選ぶと、道路構造令の縦断勾配(第20条)と、縦断曲線の半径・長さ(第22条)の値と比べます。
対象外・注意が必要な条件
  • 縦断曲線は2次の放物線として計算します。追加距離は水平距離として扱います。
  • 道路構造令との照査は、縦断勾配と縦断曲線の半径・長さだけを見ます。合成勾配と視距は見ません。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 計算の種類

1か所の縦断曲線は、VIP(前後の縦断勾配の接線が交わる点)の追加距離と計画高、前後の縦断勾配から求めます。縦断線形は、BP・VIP・EP の追加距離と計画高から区間ごとの縦断勾配を求め、VIP ごとに縦断曲線を入れます。

縦断曲線長 L と半径 R は、L = R × |i2 − i1|/100 の関係です。決め方を切り替えると、いまの値から求めた L か R が入ります。

2. 縦断曲線

追加距離と計画高は m、縦断勾配は % で入れます。縦断勾配は、追加距離が増える向きに上る勾配を正、下る勾配を負とします。

VIP の追加距離です。追加距離は、起点からの水平距離です。

前後の勾配の接線が交わる点の高さです(縦断曲線の上の計画高ではありません)。

VIP より手前の縦断勾配です。追加距離が増える向きに上る勾配は正、下る勾配は負で入れます。

VIP より後ろの縦断勾配です。

縦断曲線の始点 BVC から終点 EVC までの水平距離です。VIP は BVC と EVC の真ん中にあります。

3. 測点

測点 No.0、No.1、… の間隔です。道路の実施設計の中心点の間隔は、20 m が標準です(作業規程の準則 第643条)。

計画高を出す追加距離の間隔です。BVC・VIP・EVC などの点は、この間隔とは別に表に入ります。

最大10点

計画高を知りたい点の数です。0 にすると出しません。追加距離を入れた点の計画高を出します。1か所の縦断曲線では、曲線の外は前後の勾配の接線の上の高さです。

点追加距離 (m)
任意の点1

4. 道路構造令

道路構造令の縦断勾配(第20条)と、縦断曲線の半径・長さ(第22条)の値と比べます。

道路構造令 第3条の道路の区分です。第4種第1級は、設計速度が 60 km/h のとき、やむを得ない場合に凸形の縦断曲線の半径を 1,000 m まで小さくできます(第22条第2項のただし書き)。

小型道路は、小型自動車等だけが通る道路です(道路構造令 第3条第6項)。縦断勾配の値が普通道路と異なります。

道路の設計速度です(道路構造令 第13条)。第4種の道路は 60 km/h 以下です。

地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合の値は、第20条の表の下欄の縦断勾配と、第22条第2項のただし書きの半径です。下欄の無い欄は、標準の値と比べます。

リアルタイムプレビュー(計算結果)

入力に応じて自動更新

縦断曲線の要素

任意の点の計画高

道路構造令との照査

縦断図

計算の内訳

縦断勾配

縦断曲線

測点ごとの計画高

Excel で開ける形式(UTF-8)で保存します。

道路構造令の縦断曲線と縦断勾配の値

道路構造令(第20条・第22条)で決められている、縦断曲線の半径・縦断曲線の長さ・縦断勾配の値です。縦断曲線の半径と長さは表の値以上、縦断勾配は表の値以下とします。照査を選ぶと、このツールは入力した道路の区分と設計速度の値と比べます。

縦断曲線の半径と長さ(第22条)

設計速度
(km/h)
縦断曲線の半径と長さ(m)
凸形の半径凹形の半径長さ
120 11,000 4,000 100
100 6,500 3,000 85
80 3,000 2,000 70
60 1,400 1,000 50
50 800 700 40
40 450 450 35
30 250 250 25
20 100 100 20

設計速度が 60 km/h の第4種第1級の道路は、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合、凸形の縦断曲線の半径を 1,000 m まで小さくできます(第22条第2項のただし書き)。また、縦断勾配が変わる箇所には、縦断曲線を設けます(第22条第1項)。

縦断勾配の最大の値(第20条)

設計速度
(km/h)
普通道路(%)小型道路(%)
標準特例標準特例
第1種・第2種・第3種
120 2 5 4 5
100 3 6 4 6
80 4 7 7 値なし
60 5 8 8 値なし
50 6 9 9 値なし
40 7 10 10 値なし
30 8 11 11 値なし
20 9 12 12 値なし
第4種
60 5 7 8 値なし
50 6 8 9 値なし
40 7 9 10 値なし
30 8 10 11 値なし
20 9 11 12 値なし

特例は、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合の値(第20条第1項の表の下欄)です。小型道路の設計速度 80 km/h 以下には、特例の値がありません。小型道路は、小型自動車等だけが通る道路です。

計算方法と適用範囲

計算式・適用範囲・使用基準と参考文献

このツールで計算できること

道路の縦断勾配が変わる箇所に入れる縦断曲線(バーチカルカーブ)の計算です。前後の縦断勾配と縦断曲線長(または縦断曲線の半径)から、縦断曲線の始点・終点と、曲線の中の各測点の計画高・縦距・縦断勾配を求めます。縦断図の作成や、丁張りに使う計画高の確認に使います。

計算方法・使用式

  • 縦断曲線とは、道路の縦断勾配が変わる箇所に入れる曲線のことで、勾配の変わり目を滑らかにつなぎます。道路構造令 第22条では、縦断勾配が変わる箇所に縦断曲線を設けることとされています。
  • 縦断曲線には、2次の放物線を使うのが一般的です。2次の放物線は、水平距離に比例して勾配が変わる曲線で、縦断曲線長 L の間に、前の勾配 i1 から後の勾配 i2 へ一定の割合で勾配が変わります。勾配の差 Δi=i2-i1 が負なら凸形(山の形)、正なら凹形(谷の形)です。
  • 前後の勾配の接線が交わる点を VIP と呼び、縦断曲線は VIP を真ん中にして前後に L/2 ずつ入れます。曲線の始点を BVC、終点を EVC と呼びます。勾配を % で表すと、BVC の計画高は H_VIP-i1 L/200、EVC の計画高は H_VIP+i2 L/200 です。
  • 曲線の中の計画高は、接線の高さに縦距を足して求めます。縦距とは、接線から縦断曲線までの高さの差のことで、近い方の BVC か EVC からの水平距離を d とすると、y=Δi d²/(200 L) です。縦距がいちばん大きいのは VIP の位置で、中央縦距 M=|Δi| L/800 になります。
  • 縦断曲線の半径 R は、縦断曲線長と勾配の差から R=100 L/|Δi| で求めます。この R は放物線の2階の微分の逆数で、縦断勾配が小さいところでは、曲線の本当の曲率半径とほぼ同じ値です。本ツールは、この R を道路構造令の縦断曲線の半径の値と比べます。
  • 前後の勾配の符号が異なる縦断曲線(上りから下り、下りから上り)では、曲線の中に頂点(凸形)か最低点(凹形)があります。BVC からの水平距離 x0=i1 L/(i1-i2) の位置で勾配が 0 になり、計画高は H_BVC+i1 x0/200 です。凹形の最低点には水が集まるため、排水の計画で位置を確かめます。
  • BP から EP までの縦断線形では、BP・VIP・EP の追加距離と計画高から区間ごとの縦断勾配を求め、VIP ごとに縦断曲線を入れます。隣り合う縦断曲線が重なると計画高が1つに決まらないため、前の縦断曲線の EVC は、次の縦断曲線の BVC より手前にある必要があります。
  • 道路構造令では、縦断勾配の最大の値(第20条)と、縦断曲線の半径と長さの最小の値(第22条)が、道路の区分と設計速度ごとに決められています。縦断曲線の半径の値は、凸形と凹形で異なります。地形の状況などでやむを得ない場合の値も、一部の欄に決められています。
  • 測点は、起点からの追加距離を測点の間隔で割った整数部を番号とし、余りを「+」の後ろに書いて表します。道路の実施設計では、中心点を 20 m の間隔で設けるのが標準とされています(作業規程の準則 第643条)。本ツールでは、測点の間隔と計画高を出す間隔を別に決めることができます。

入力と出力

入力: 計算の種類(1か所の縦断曲線か、BP から EP までの縦断線形か)、VIP の追加距離・計画高と前後の縦断勾配(縦断線形では BP・VIP・EP の追加距離と計画高)、縦断曲線長 L か半径 R(縦断線形では VIP ごと)、測点の間隔、計画高を出す間隔、任意の点の追加距離、道路構造令の照査の条件(道路の区分・設計速度など)。

出力: 勾配の差・曲線の形・縦断曲線長・縦断曲線の半径・中央縦距、BVC・VIP・EVC・頂点(最低点)の追加距離と計画高、測点ごとの接線の高さ・縦距・計画高・縦断勾配の表(CSV で保存できます)、任意の点の計画高、道路構造令との照査の結果、縦断図。計算過程つきの帳票(計算書)も出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 縦断曲線は2次の放物線として計算します。円曲線や3次の放物線の縦断曲線は扱いません。
  • 追加距離は水平距離として扱います。縦断勾配は、追加距離が増える向きに上る勾配を正とした % の値です。
  • 縦断曲線の半径は R=100 L/|Δi| で求めます。勾配のあるところでは、放物線の本当の曲率半径は R より少し大きくなります(縦断勾配 10 % のところで 1.5 % ほど)。
  • 道路構造令との照査は、縦断勾配(第20条)と縦断曲線の半径・長さ(第22条)だけを見ます。登坂車線を設ける区間の縦断勾配(第21条)、合成勾配(第25条)、視距は見ません。
  • 照査は、表示の桁に丸めた値(縦断勾配と縦断曲線長は小数3桁、縦断曲線の半径は小数1桁)で比べます。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 道路構造令(昭和45年政令第320号): 第3条(道路の区分)、第13条(設計速度)、第20条(縦断勾配)、第22条(縦断曲線)。
  • 作業規程の準則(国土交通省): 第643条(中心点の設置の間隔)。

縦断曲線の計画高・縦距・頂点(最低点)の式は、2次の放物線の性質から求めています。