1. 基本の式
水の密度を ρ(≒1,000 kg/m³)、重力加速度を g(≒9.8 m/s²)とします。水の単位体積重量は ρg(≒9.8 kN/m³)です。
連続の式
- 流量
- \(Q = Av = A_1 v_1 = A_2 v_2\)A は流れの断面積、v は断面の平均流速
ベルヌーイの定理
- 断面 1 と断面 2 のエネルギー
- \(z_1 + \dfrac{p_1}{\rho g} + \dfrac{v_1^2}{2g} = z_2 + \dfrac{p_2}{\rho g} + \dfrac{v_2^2}{2g} + h_L\)\(z\) は位置水頭、\(p/\rho g\) は圧力水頭、\(v^2/2g\) は速度水頭、\(h_L\) は 1 から 2 までの損失水頭
静水圧
- 水面から深さ h の圧力
- \(p = \rho g h\)
- 浮力
- \(F = \rho g V\)V は水中にある部分の体積
平面に働く全水圧
- 全水圧
- \(P = \rho g\,h_G A\)\(h_G\) は面の図心の深さ、\(A\) は面積
- 作用点の深さ
- \(h_C = h_G + \dfrac{I_G}{h_G A}\)\(I_G\) は図心を通る水平な軸まわりの断面二次モーメント
- 鉛直な長方形の壁(幅 B、水深 h)
- \(P = \dfrac{\rho g B h^2}{2}\)作用点は水面から 2h/3
2. 開水路
水面が大気に接して流れる水路(側溝・水路・河川、満流でない管)の式です。等流では、水面の勾配と水路の勾配が等しくなります。
マニング式
- 平均流速
- \(v = \dfrac{1}{n} R^{2/3} I^{1/2}\)n は粗度係数、R は径深(m)、I は水面(エネルギー線)の勾配
- 流量
- \(Q = Av\)
- シェジー式との関係
- \(v = C\sqrt{RI},\quad C = \dfrac{R^{1/6}}{n}\)
長方形の水路(幅 B、水深 h)
- 流水の断面積
- \(A = Bh\)
- 潤辺
- \(S = B + 2h\)
- 径深
- \(R = \dfrac{A}{S} = \dfrac{Bh}{B + 2h}\)
台形の水路(底幅 B、のり勾配 1:m)
- 流水の断面積
- \(A = (B + mh)\,h\)
- 潤辺
- \(S = B + 2h\sqrt{1 + m^2}\)
- 水面幅
- \(B_s = B + 2mh\)
円形の管が満流のときは、径深 R=D/4(D は内径)です。
比エネルギーとフルード数
- 比エネルギー
- \(E = h + \dfrac{v^2}{2g} = h + \dfrac{Q^2}{2gA^2}\)
- フルード数
- \(Fr = \dfrac{v}{\sqrt{g h_m}}\)\(h_m = A/B_s\) は平均水深、\(B_s\) は水面幅
- 流れの区分
- \(Fr < 1,\quad Fr = 1,\quad Fr > 1\)順に常流、限界流、射流
限界水深
- 一般の断面
- \(\dfrac{Q^2 B_s}{g A^3} = 1\)
- 長方形の水路
- \(h_c = \sqrt[3]{\dfrac{q^2}{g}}\)\(q = Q/B\) は単位幅あたりの流量
- 限界流速
- \(v_c = \sqrt{g h_c}\)
- 最小の比エネルギー(長方形)
- \(E_{\min} = \dfrac{3}{2} h_c\)
水路の断面と勾配から水深・流速・流量を求める計算は、開水路の水理計算で行うことができます。
3. 管水路
水が管の断面いっぱいに流れる(満流)ときの損失水頭の式です。D は管の内径、L は管の長さ、v は平均流速です。
ダルシー・ワイスバッハの式
- 摩擦による損失水頭
- \(h_f = f\,\dfrac{L}{D}\,\dfrac{v^2}{2g}\)f は摩擦損失係数
- レイノルズ数
- \(Re = \dfrac{vD}{\nu}\)ν は動粘性係数(水 20℃で約 1.0×10⁻⁶ m²/s)
- 層流(Re ≦ 2,000 程度)
- \(f = \dfrac{64}{Re}\)
マニング式(満流の円管)
- 摩擦損失係数
- \(f = \dfrac{124.5\,n^2}{D^{1/3}}\)
- 摩擦による損失水頭
- \(h_f = \dfrac{10.3\,n^2 Q^2 L}{D^{16/3}}\)
単位は m・s(g=9.8 m/s²)です。
ヘーゼン・ウィリアムス式
- 平均流速
- \(v = 0.849\,C R^{0.63} I^{0.54}\)\(C\) は流速係数、\(I\) は動水勾配(\(h_f/L\))
- 満流の円管の流量
- \(Q = 0.2785\,C D^{2.63} I^{0.54}\)
- 満流の円管の損失水頭
- \(h_f = 10.67\,C^{-1.85} D^{-4.87} Q^{1.85} L\)
単位は m・s です。
局所の損失水頭
- 一般の形
- \(h = f_x\,\dfrac{v^2}{2g}\)\(f_x\) は入口・曲がり・弁などの損失係数
- 急な拡大
- \(h = \dfrac{(v_1 - v_2)^2}{2g}\)
- 出口
- \(h = \dfrac{v^2}{2g}\)
- 水槽の間の水位差 H
- \(H = \left(f_e + f\dfrac{L}{D} + \sum f_x + 1\right)\dfrac{v^2}{2g}\)\(f_e\) は入口の損失係数
入口・曲がり・弁などの損失係数は形によって異なるため、適用する基準や便覧の値を用いてください。
4. 堰・オリフィス・合理式
堰とオリフィスの流量は、理論の式に流量係数 c を掛けて求めます。c は、堰・オリフィスの形と、適用する基準の式によって異なります。
四角堰(越流幅 B、越流水深 h)
- 流量
- \(Q = \dfrac{2}{3}\,c\,B\sqrt{2g}\,h^{3/2}\)
三角堰(頂角 θ)
- 流量
- \(Q = \dfrac{8}{15}\,c\tan\dfrac{\theta}{2}\sqrt{2g}\,h^{5/2}\)
- 直角三角堰(θ=90°)
- \(Q = \dfrac{8}{15}\,c\sqrt{2g}\,h^{5/2}\)
オリフィス
- 小さなオリフィスの流量
- \(Q = c\,a\sqrt{2gh}\)a はオリフィスの面積、h は水面から中心までの深さ
- もぐりオリフィス
- \(Q = c\,a\sqrt{2gH}\)H は上流と下流の水位の差
- トリチェリの定理
- \(v = \sqrt{2gh}\)
合理式(雨水の計画流出量)
- 集水面積を ha で表すとき
- \(Q = \dfrac{1}{360}\,f\,r\,A\)Q は m³/s、f は流出係数、r は降雨強度(mm/h)、A は集水面積(ha)
- 集水面積を km² で表すとき
- \(Q = \dfrac{1}{3.6}\,f\,r\,A\)
盛土等防災マニュアルの解説〔Ⅱ〕 式ⅩⅡ・2-1、式ⅩⅡ・3-1。
流出係数・降雨強度式・流達時間から計画流出量を求める計算は、雨水流出量の計算で行うことができます。